後藤牧人
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日本宣教論(58)死後儀礼のない宗教 後藤牧人
確かにキリスト教徒は、軍部の意を受けた警察権力により迫害された。そこで使われた論理は国家神道のそれであり、その圧迫はかなりのものであった。しかし、この迫害はあくまで神道から出てきたものではない。
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日本宣教論(57)国教化への抵抗 後藤牧人
葦津珍彦(あしづうずひこ)によると、明治憲法はプロシアの立憲君主憲法を模範としたが、草稿の作成に当たり、顧問を務めたドイツの憲法学者たちは、神道を国教として採用するよう伊藤博文に強く勧めたという。しかし、伊藤はこれを拒否した。
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日本宣教論(56)祭神論争 後藤牧人
1879(明治12)年に、日比谷の神宮遥拝所の祭神のことで出雲大社の関係者たちから、造化の三神と天照大神に大国主命(おおくにぬしのみこと、出雲大社の祭神)も加えて五神とするようにとの要求があり、反対者との間に大論争が起こった。
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日本宣教論(55)神仏分離 後藤牧人
先に述べたように文献と物的証拠だけからすれば、神道は仏教の近縁として発達してきたとしか言えない。また、もし神道が古代に独立した宗教だったことがあるとしても、その直接の証拠は存在していないのである。
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日本宣教論(54)尊皇攘夷 後藤牧人
攘夷とは、分かりやすい主題であった。外国から軍事勢力が来て、国を危うくし、平和を乱す。これを撃退せねばならない、というのである。国全体がこれを支持したが、実行したのは長州藩だけである。長州は関門海峡を航行する外国商船の幾つかを砲撃した。
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日本宣教論(53)明治政府と神道 後藤牧人
国家神道を論ずるには、どうしても明治維新を論じなければならない。明治維新と国家神道を切り離すことはできないからである。そもそも明治維新とは何だったのかを把握することは簡単なことではない。
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日本宣教論(52)国学の興隆、日本人と儒教 後藤牧人
平田篤胤(ひらた・あつたね)は本居の死後、その著書を読んで衝撃を受け、本居の学説を彼なりに発展させた。そうして終生、自分は本居の門人であると称した。平田は本居の論を推し進め、思想的に完成の方向に持っていき、平田神道と呼ばれる体系を試みた。
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日本宣教論(51)徳川幕府の宗教政策 後藤牧人
西欧はキリスト教を使って日本を植民地としようとしている――。幕府は、そのように観察し、キリスト教を恐れた。確かにカトリックの洗礼を受けた改宗者は、その時、ポルトガル王やスペイン王の家来になり、その領地は、これら異邦の王のものとなるのだった。
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日本宣教論(50)御霊信仰 後藤牧人
神道の起源の第三のものは、怨霊(おんりょう)信仰であり、これは御霊(ごりょう)信仰ともいう。御霊とは、死者の霊の敬称であるが、怨念を持って死んだもの、また個性や実力に富んだものの死霊を指して言った。
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日本宣教論(49)朝鮮半島から由来の神道 後藤牧人
次に韓半島から由来した、神社の問題を考えてみたい。金達寿は日本国内の朝鮮半島起源の文物を現地調査して報告しており、それらは『日本の中の朝鮮文化』(講談社)シリーズで報告されている。
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日本宣教論(48)原始神道 後藤牧人
神社神道は、明治以後に成立したのであるが、いわゆる「民間信仰」が持っているような迷信的な諸習慣、神憑(つ)き、お告げなどといったものは持っていない。仮にあったとしても、それは信仰や行事の辺縁にすぎない。
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日本宣教論(47)歴史上の「神道」 後藤牧人
日本中、至る所に神社がある。そこでは、古式に従って神事が行われており、一般的な印象からすれば、古代からこの形で続いてきたと思われる。しかし問題は、そんなに簡単なものではない。現在の神社の形態は、明治以後のことなのである。
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日本宣教論(46)国家神道イデオロギー 後藤牧人
日本伝道を考えると、「国家神道イデオロギー」の問題に突き当たる。これをどう扱うかは日本宣教学の根底にわだかまる問題である。日本宣教を志す者が、この問題を無視して通り過ぎるわけに行かないのも当然のことである。
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日本宣教論(45)ナチズムとの関係 後藤牧人
「天皇現人神」という狂的な思想へと日本は走ったが、その理由の1つにナチズムの影響を見いだせるのでないか。ナチズムは政治理論であると同時に、宗教運動でもあった。
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日本宣教論(44)天皇礼拝 後藤牧人
筆者の子どもの頃の、ファースト・ハンドの体験を少し述べたい。天皇の尊崇ということは宗教なのか、それとも当時の人たちからただの「タテマエ」と理解されていたのか、子ども心にもよく分からず、自分なりに調べていた。
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日本宣教論(43)天皇という呼称 後藤牧人
古来、中国では各地に王がおり、それらの王たちを統合するものとして「皇」 がいたが、皇には泰皇、天皇、地皇の3つの階級があり、天皇は3つの階級のうちの真ん中であった。
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日本宣教論(42)天皇神人説 後藤牧人
なぜこのような狂的な現象が起こったのだろうか。1つの理由はキリスト教国による圧迫に対抗して、日本という国家を維持するため、何かの精神的支柱が必要であり、そのためには「天皇現人神」説しかなかった、ということであろう。
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日本宣教論(41)天皇制 後藤牧人
日本の歴史においては、天皇が実権を持った期間はほとんどなかったのは周知のことである。摂政としての藤原氏、鎌倉幕府、室町幕府、豊臣政権、徳川幕府などが天皇を補佐する形をとった。
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日本宣教論(40)易姓革命 後藤牧人
儒教は「礼を行う」ことによって社会が治まる、とした。礼は最高の善である。礼のうちで先祖の祭りは最大の要素で、それをチャンとやらない政府は倒れる。
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日本宣教論(39)日本の植民地問題 後藤牧人
李王朝末期の総理大臣の李完用は、それまで朝鮮が中国の保護国であったが、中国の衰亡を見て、この先頼るものとしてロシアは考えられず、 日本は好まず、米国しかないと考えた。そこで王族の全員に長老教会の洗礼を受けさせ、その上で交渉のために渡米した。
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