キリストの証人としては、かなり奇抜と思えるような状況の中、ヨランデ・ビジルと彼女のチームは、フフトの超常現象フェアに足を踏み入れ、そこで神の愛を広めようと決断したのだ。
このようなフェアは、通常、キリスト者の信仰とは一線を画すスピリチュアルな実践と結び付けられることが多い。しかし、実はこれが、人々の心に触れ、人生を変えるような出会いの思いがけない舞台となったのだ。
ビジルは、神が導く所ならどこにでも、たとえ思いがけない場所であったとしても、神の存在を示すキリストの香りが届けられるべきだと熱く信じている。彼女はこう語る。「神が人々に触れる様子を見るのは、本当に素晴らしい経験でした。私たちは議論したり批判したりするためにそこにいたのではなく、ただ愛し、仕えるためにそこにいたのです。あとは聖霊に委ねました」
ブースで、彼女のチームは祈り、来場者の霊的ニーズに応えようと努めた。立ち止まった多くの人は好奇心を持って受け止めた。中には懐疑的な人もいたが、それでもブースを去るときには、彼らの先入観や誤解は打ち解け、驚きと希望を新たにされる者が少なくなかったという。
「人々の顔には変化がありありと見て取れました。彼らは真理を知ることに心を開いており、神は力強い方法で彼らと出会われたのです」とビジルは語った。深い感情的な痛みに苦しんでいたある女性は、ためらいがちにブースに近づいて来た。しかし、この女性のために祈ると聖霊が働き、彼女は神の平安を体験し、涙を流し始めた。「彼女は、おそらく久しぶりに、自分が守られ、愛されていると感じたのでしょう」とビジルは振り返る。
また別の来場者は、何気なくブースの展示品を見ていたが、チームの穏やかな存在に、何か他の人とは違うものを感じて引かれたという。そして何気ない会話から始まったものが、人生を変える瞬間へと変わったのだ。「彼はここで神に出会うとは思っていませんでした。しかし多くの場合、神は私たちの期待通りに動くお方ではありませんね」とビジルは語る。
罪人や取税人のただ中に出て行ったイエスのやり方は、当時の人々には奇抜以外の何ものでもなかった。しかし「人の子は、失われている者を救うために来た」(マタイ18:11)のである。
超常現象フェアという、一見キリスト教信仰が霊的に問題視する場所にも、真理を求める失われた魂はいるのだ。奇抜なゲリラ戦のようなやり方だが、キリストの福音はあらゆる方法であらゆる人々に語られなければならない。オランダで試みられたこのような働きが、救霊の実を豊かに結ぶように祈っていただきたい。
■ オランダの宗教人口
プロテスタント 18・3%
カトリック 25・7%
ユダヤ教 0・2%
イスラム 5・5%
無神論 46・9%
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