人を責めるとき、「私は正しい! あなたは間違っている!」と、心で叫んでいるものではないでしょうか。しかし、相手を責めても、落ち込ませるか、逆ギレさせるかのどちらかです。結果として、互いに傷つけ合い、何のプラスにもなりません。
なぜならば、誰もが、自分が責められることを願わないからです。聖書の黄金律(Golden Rule)といわれる言葉に、「自分にしてもらいたいと望むとおり、人にもそのようにしなさい」(ルカの福音書6章31節)というものがあります。
「自分がしてもらってうれしいことを他の人にもする」。そして、もう一つ。「自分がされたくないことは、他の人にもしない」ことです。人から責められたとき、「悪気がない」ことを伝え、むやみにやり返さないことです。
一般に、「攻撃は最大の防御」と考えられます。しかし、攻撃をしても、争いが起こるだけで、切った刀で切り返され、お互いに傷付いて終わります。キリストは、「だれかがあなたの右の頬を打つなら、左の頬をも向けなさい」(マタイの福音書5章39節)と教えられました。消極的な生き方のようですが、実は、積極的な生き方です。そして、相手の憎しみを一番短時間で鎮めることになります。
しかし、このような無抵抗主義で泣き寝入りすることに納得がいかない人もいるでしょう。聖書は別の箇所で「復讐するはわれ(神)にあり」と語ります。自分で復讐するのではなく、神に復讐を任せて、自分の幸福感を失わず、争いに巻き込まれず、自分を守ることになります。
そして、人を愛することに徹することです。本来、私たち人間同士は、敵対関係にはありません。その背後に悪魔がいて、人を同士討ちさせようとしているだけです。本当の敵は悪魔です。人を愛することで、悪魔に対して復讐をすることになります。今日も愛に生きる、素敵な一日でありますように。
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