海の環境を守るために植林活動に取り組んだ漁業者でエッセイストの畠山重篤(はたけやま・しげあつ)さんが3日、肺血栓塞栓(そくせん)症のため、埼玉県所沢市の病院で死去した。81歳だった。日本バプテスト同盟気仙沼教会の会員で、キリスト教関係の講演会でも度々話をしていた。
1943年、中国・上海生まれ。宮城県気仙沼市でカキやホタテの養殖業を営む。89年から「森は海の恋人」を合い言葉に植林活動を始める。94年に『森は海の恋人』出版、2009年にNPO法人「森は海の恋人」設立。その活動は小・中学校の教科書などでも取り上げられた。11年の東日本大震災では母親を亡くし、養殖業も被害を受けたが、その後も活動を続けていた。
「森は海の恋人」は、気仙沼市の歌人である熊谷龍子さんが歌った「森は海を海は森を恋ながら悠久よりの愛紡ぎゆく」から。一方、英訳は、英語に堪能な美智子皇后(現上皇后)からアドバイスを受けて考案したもので、旧約聖書の詩編42編の表現も参考にしたことを話していた。
01年『漁師さんの森づくり』で小学館児童出版文化賞、04年『日本〈汽水〉紀行』で日本エッセイスト・クラブ賞など、多数の受賞歴がある。05年には京都大学フィールド科学教育研究センターから「社会連携教授」の称号を授与され、12年には国連森林フォーラム(UNFF)から「フォレストヒーローズ(森の英雄)」に選ばれた。NHKの朝の連続テレビ小説「おかえりモネ」(21年)では、カキ漁師のモデルとなった。