ミャンマー中部で28日に発生したマグニチュード(M)7・7の地震を受け、国際的な支援活動が活発化する中、国内のキリスト教NGOも緊急支援活動を目的に募金を開始した。
ワールド・ビジョン
国際キリスト教NGO「ワールド・ビジョン」は、現地事務所であるワールド・ビジョン・ミャンマーが、地震発生当日に緊急支援活動の実施を決定。水や食料、避難所、緊急キットの支援を提供し、子どもの保護活動を行う計画だ。
ワールド・ビジョン・ミャンマーのチー・ミン事務局長によると、震源に近いミャンマー第2の都市マンダレーは人口過密地域で、特に被害が大きいという。また、現地の子どもたちは、国軍がクーデターを起こした2021年から続く紛争により、既に非常に困難な状況にあり、それを地震がさらに悪化させてしまったと話す。
ミャンマーは、日本事務所であるワールド・ビジョン・ジャパンの支援国の一つでもある。ワールド・ビジョン・ジャパンは、29日から募金を開始。「地震により全てを失い、不安と悲しみの中にある人々に、今必要な支援を届けるために、ご協力をお願いいたします」と協力を呼びかけている。
オペレーション・ブレッシング
同じくミャンマー現地で支援活動を行っている国際キリスト教NGO「オペレーション・ブレッシング」も、既に現地の救援チームが被害状況の調査を開始。当局と連携した緊急支援活動を進めており、浄水器やソーラーライトなどの物資を届ける計画だ。
日本事務所であるオペレーション・ブレッシング・ジャパンは、29日から募金を始めた。「被害は甚大で、支援を続けるためには、現地で尽力する救援チームの安全と導きが必要です」とし、「どうか私たちと共に、ミャンマーの人々のためにお祈りください」と呼びかけている。
今回の地震により、ミャンマーでは29日までに1644人が死亡、3408人が負傷、139人が行方不明となっている。犠牲者は今後も増える見込みで、ロイター通信によると、米地質調査所の予測モデルでは、死者数は1万人を超え、損失額はミャンマーの年間経済生産額を上回る可能性がある。
グッドネーバーズ
地震による被害は隣国タイでも出ており、同通信によると、これまでに首都バンコクで17人が死亡、建設中の高層ビルの倒壊で少なくとも78人が行方不明となっている。
国際キリスト教NGO「グッドネーバーズ」は、29日からバンコクのビル倒壊現場付近で食料と水の配布を始めた。また、日本事務所であるグッドネーバーズ・ジャパンは、28日から募金を開始。「被災地の人々の命と生活を守るため、皆さまのご協力が必要です」と協力を呼びかけている。