ギヨーム・ビニョンはフランス人のコンピューターエンジニアでありながら、身体能力にも恵まれ、全国リーグのバレーボール選手としてもプレーしていた。長年にわたり無神論者として生きてきた彼は、神を信じることは知的に弱い者の考えだと一蹴してきたのだ。しかし、休暇中の偶然の出会いが彼の人生を一変させたのである。
カリブ海でのバカンス中、ギヨームは、自らのキリスト教信仰に立って婚前交渉をしないと堂々と告白するニューヨーク出身のモデルの女性に出会った。ギヨームは彼女の信念に興味を持ったと同時に、大きなチャレンジを受けた。そして自分はこれまで、キリスト教について真剣に調べたことがなかったことに気付かされたのだ。
フランスに戻ったギヨームは、子どもの頃に読んだ聖書を引っ張り出して読み始めた。すると意外にも、イエスという人物に心を引かれる自分がいることに気が付いた。それでもまだ懐疑的だった彼は、半ば冗談のつもりで「神様、何かしるしを見せてください」と祈ったのだ。すると彼は、けがをしたのでも事故に遭ったのでもないのに、右肩が全く上がらなくなってしまった。
2週間もバレーボールの練習ができなくなってしまい、空いた時間で福音派の教会を訪ねてみることにした。興味本位で礼拝に参加してみたものの、礼拝が終わると彼はそそくさと立ち去ろうとしたのだが、教会を出ようとしたとき、突然、言葉では説明できない不思議な身体的感覚を覚え、立ち止まってしまったのである。そして、引き返して牧師と話をする決意を固めたのであった。
それから数カ月にわたり、疑問、証拠、そして正直な疑いに満ちた会話が続いた。大きな転機となったのは、イエスの復活についての考察だ。復活を信じていたイエスの弟子たちは皆、キリストの復活の証人として多くの苦しみを受けた。あるいは、そのために命を捨てることさえも辞さなかったのだ。
ギヨームは、「それが真実でなかったなら、彼らがそこまでの犠牲を払うはずがない」と確信するようになった。ギヨームは一連の出来事を振り返ったとき、それは偶然ではなく、自分を導く明確な神の御手があったことを認めないわけにはいかなかった。そしてついに彼は、聖書の証言するイエスへの信仰を告白したのであった。
彼はその後、新約聖書研究の修士号を取得し、その過程で出会った米国人のキリスト者の女性と結婚し、キリストに従う人生を歩んでいる。彼の人生は「どれほど疑り深い者であったとしても、本物の信仰へと導かれることがあるのだ」ということの生きた証人となっているのである。
ギヨームにとってそれが大きな転機となったように、キリストの復活は、神話やおとぎ話のような、つかみどころのない物語ではない。それは客観的論理的に検証可能な歴史的事実なのだ。そして、その栄光に輝くキリストの復活の体こそは、死の呪縛を完全に打ち砕く私たちの希望であり、私たちの信仰のリアリティーなのである。よみがえりの主をたたえよう!
近年、カトリック大国のフランスでも、聖書的な福音派信者が増えている。フランスの人々がさらに救われるように祈っていただきたい。
■ フランスの宗教人口
カトリック 57・6%
プロテスタント 2・1%
英国教会 0・03%
ユダヤ教 1・0%
無神論 26・6%
イスラム 10・5%
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