元日の1日1日に発生した能登半島地震から、1日で半年がたった。地震発生6日後の7日から、能登半島がある石川県にスタッフを派遣しているキリスト教国際NGO「ワールド・ビジョン・ジャパン」(WVJ)は、この半年に3800人以上を支援してきた。このうち4割を超える1600人余りは子どもで、世界の子どもを支援するNGOとして、被災地でも子どもを対象とした支援活動を中心に進めてきた。
初期支援では、輪島市門前地区の避難所に日用品70人分、食料120人分を届けたほか、同市の教育委員会を通じて、子どもの衣類120人分と文房具50人分を提供。教育再開支援は、七尾市内の放課後児童クラブ6カ所、幼稚園・保育園・こども園9カ所、輪島市内の小中学校、保育園2カ所、子どもの居場所・医療施設2カ所で行い、千人以上の子どもを支援した。
仮設住宅に対する物資支援も行い、輪島市内に建設された仮設住宅12カ所、計500戸以上に寝具セットを届けた。寝具セットの支援は、2016年の熊本地震を受け協定を結んでいた老舗寝具メーカーの西川による協力で実現した(関連記事:ワールド・ビジョン、能登地震最初の仮設住宅に寝具を支援 熊本地震で結んだ協定生かす)。
この他、居場所支援として、金沢市の避難所1カ所で子どもの居場所の立ち上げをサポートしたほか、七尾市と輪島市の学校や避難所など4カ所で、子ども向けイベント「わくわくデー」を開催。わくわくデーには、4カ所で計1100人以上が参加した。
また、支援者への支援として、七尾市と内灘町で、日頃から子どもたちと多く接する人を対象に心理的応急処置(PFA)の研修を実施。2月には金沢市で、自由に会話をできる場として、対面イベント「ワールド・ビジョン・カフェ」も開催した。
「被災された皆様が、日々忍耐強く生活の復旧に向けた歩みを進めておられる様子を拝見し、少しでもお力になりたい、その一心でここまでの6カ月を過ごしてきました」。WVJスタッフの高橋布美子さんはそう言い、次にように語った。
「この6カ月間で、子どもたちを取り巻く環境は大きく変化してきました。衣食住や学びの面で日常が回復しつつありますが、町の復旧・復興は簡単な道のりではなく、体育館や公園など子どもたちが思いきり遊べる環境にもまだ制限があります。引き続き子どもたちや地域社会の様子を見守りながら、必要とされる支援を提供してまいります」