ミャンマー北部カチン州でカトリック教会の大聖堂が、同国の軍事政権の兵士らによる襲撃で焼失した。
カトリック系のフィデス通信(英語)によると、焼失したのは、同州南部バモーの聖パトリック大聖堂。2021年の国軍によるクーデター後、実権を握っている軍事政権の兵士らが3月16日、同地域での作戦中に焼き払ったという。この日は、大聖堂の由来となっている聖パトリックの祝日の前日だった。大聖堂は、2006年に設立されたバモー教区の司教座聖堂として用いられていた。
ミャンマーの独立系メディア「民主ビルマの声」(DVB)は、住民が提供した延焼する大聖堂の映像を公開。カチン独立軍(KIA)に近い情報筋はDVBに対し、「(大聖堂は)灰に帰してしまった」と話した。
同通信によると、司祭館や教区事務所と高校が入居していた3階建ての建物は既に、2月26日に焼き払われていた。
ミャンマーでは他にも、宗教施設を狙った攻撃が相次いでおり、2月6日には北西部チン州のイエスの聖心教会が空爆で破壊された。同教会は空爆の約2週間前に、新設されたミンダット教区の司教座聖堂に指定されたばかりだった。また3月3日には、バモー教区の聖ミカエル教会の司牧センターが空爆で破壊されている。
狙われているのはキリスト教の建物ばかりではない。3月16日には仏教僧院が空爆の被害に遭い、僧侶6人を含む9人が死亡した。
国際人権団体「世界キリスト教連帯」(CSW、英語)のマービン・トーマス創立会長は、宗教施設を標的にすることで、軍事政権は地域社会の「文化的・霊的」基盤を破壊するとともに、現在進行中の紛争によって避難を余儀なくされている人々の避難場所をも破壊していると話す。
「ミャンマー政府が意図的にキリスト教コミュニティーや他の宗教団体を標的にしていることは、人権と国際人道法に対する重大な違反です」
「国際社会は、宗教的少数派に対する組織的な集団懲罰キャンペーンを前にして沈黙していてはいけません。不処罰の連鎖を断ち切り、被害を受けた人々に正義を保障するために、早急に努力しなければなりません」