青木保憲
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「ローグ・ワン / スター・ウォーズ・ストーリー」にキリスト教宣教史と希望のバトンリレーを見た!
詳しい内容には現時点で言及しないが、見ていて強く感じたのは、物語の底流に「希望のバトンリレー」とでも表現できる福音宣教的要素がふんだんに盛り込まれていることである。今回は完全ネタバレなし、でこのメジャー映画を実践神学的観点からひもといてみたい。
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「この世界の片隅に」を見て、キリスト教牧師が思うこと
あの「君の名は。」ですら第4週以降は次第に下降していったのに、この作品だけは、公開から1カ月たっても収益が伸び続けるばかり。SNSでの評価も異様に高く、誰もケチをつける者はいない。それが「この世界の片隅に」である。
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キリスト教から米大統領選を見る(23)福音派と米国政治②フラー神学校内の対立と新福音主義の凋落
前回、トランプ氏を受け入れるよう声明を発したフラー神学校を題材に、第2次世界大戦後にかつて「根本主義者」と呼ばれていた人々が「新福音主義」として社会性を身につけて復活するさまを概観した。今回はその続きである。
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聖書で読むシネマ(3)密かなブーム?続々と公開される“キリスト教映画”について考えてみる(2)
日本のクリスチャンが劇場に足を運び、友人を映画に誘う最も大きな要因がこれ。つまり映画を伝道のツールとみなし、教会に来なくても、牧師の説教を聞かなくても、この映画で信仰に対する目覚めを体験できることを願うことになる。
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聖書で読むシネマ(3)密かなブーム?続々と公開される“キリスト教映画”について考えてみる(1)
2015年5月、ソニー・ピクチャーズ配給で3本の映画が日本で連続公開した。ご存じの方も多いだろうが、「復活」「天国からの奇跡」「祈りのちから」の3本である。
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キリスト教から米大統領選を見る(22)福音派と米国政治①黎明期:新福音主義とフラー神学校
トランプ氏当選の衝撃から約1カ月余り。世界は次第に沈静化へ向かっているようだ。さっそく安倍首相と会談したり台湾の総統と電話で会話したり、とやはり何かと話題となるトランプ氏。その先行きは今のところ歓迎ムードのようである。
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神学書を読む(6)『クー・クラックス・クラン 白人至上主義結社KKKの正体』
KKK(クー・クラックス・クラン)といえば、白い目出し帽子の三角頭巾にワンピース状の白いローブをまとい、炎の十字架を掲げて黒人たちをリンチして回る恐ろしい集団、というイメージがあるのではないだろうか。
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キリスト教から米大統領選を見る(21)福音派は超現実肯定主義者? 進化論論争の「功」と「罪」(2)
前回、福音派の「聖書信仰(professing the Bible)」について言及した。とても重要な概念なので、今回もこれを再掲する。ここで大切なのは、「聖書そのものを信仰対象とする」ということである。「聖書の言葉や中身を」ではなく、「聖書そのものを」というところがミソである。
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聖書で見るシネマ(2)映画「くちづけ」が提示する「答えなき問い」に向かい合う
キリスト者としてこのような出来事をどう受け止めるべきか? おそらくこのような映画が生み出された最も大きな理由は、この物語をきっかけにして今まで多くの人が見てこなかった「世界」に対し、眼差しを向けてもらうことだろう。それなら真摯に向き合わなければならない。
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キリスト教から米大統領選を見る(20)福音派は超現実肯定主義者? 神への絶対信仰の「功」と「罪」(1)
前回は「トランプ支持の福音派」というくくりが果たして実際に機能しているかどうか、慎重に吟味しなければならないということを述べた。しかしだからといって「Evangelicals」がトランプ新大統領に関して、今後どのような傾向を示すかについて、全く予測できないというわけではない。
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映画「スター・トレック BEYOND」から透けて見える「トランプ現象」!?
今年7月、1本の映画が米国で公開された。一見すると何の変哲もないSF映画である。しかし、そこに込められた製作者の意図を知るとき、ハリウッドが2016年の大統領選挙に対して、暗に送り続けたメッセージを読み解くことができる。
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キリスト教から米大統領選を見る(19)「トランプを支持した福音派」とは何を意味するのか?
当選後のトランプ氏の情報は各方面から聞こえてくるが、どうも気になる論調がある。それは、「トランプを支持したのは、白人の福音派だった」というもの。どうしても看過し得ないのは、「福音派」という言葉がおのおのの視点から、一人歩きしていることである。
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神学書を読む(5)『アメリカ 異形の制度空間』 気鋭の哲学者が読み解くアメリカの誕生と歴史
米国発の諸神学(黒人神学、フェミニズム神学など)がどうして生み出されたのかをはっきりと示してくれるという意味で、本書は広い意味での神学書と位置付けることができる。著者の西谷修氏は、専門が哲学であるため、内容はかなり抽象的な分野にまで言及している。
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キリスト教から米大統領選を見る(18)トランプ氏が勝利 福音派の政治力の衰退と反知性主義
まさにこの原稿を書いている時間、ドナルド・トランプ氏、そして副大統領となるマイク・ペンス氏が「勝利宣言」を行っている。ついに、まさか・・・、いろんな形容があるのだろうが、いずれにせよ来年1月に「トランプ大統領」が誕生する。これによって、世界は大きな転換期を迎える。
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「あなたは自分に正直か?」 映画「永い言い訳」を見て牧師として考えさせられたこと
これは「嘘(うそ)」をめぐる物語である。監督は西川美和。「蛇イチゴ」「ゆれる」「ディア・ドクター」「夢売るふたり」・・・。彼女のフィルモグラフィーをたどれば、どの映画も「嘘」をめぐる物語であることが分かる。今回は、自分が嘘をついていることを隠したまま生きる男の物語である。
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キリスト教から米大統領選を見る(17)ポピュリズムと反動が結束したトランプ現象はまだ続く?
ヒラリー・クリントン大統領の誕生だろうか? そう見る傾向は強い。しかし、2016年の大統領選挙全体を振り返ったとき、トランプ氏だけでこのような異常な事態を引き起こしたのではないとしたら、彼がたとえ敗北したからといって、全てが語り尽くされたと考えるのは早計である。
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神学書を読む(4)『入門講義 キリスト教と政治』②
キリスト教と政治という、一見すると水と油のようなものが、実はコインの裏表であったことに気付かせてくれるのが本書である。その後編として、宗教改革以降のキリスト教と政治の在り方を本書に沿って紹介してみたい。
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神学書を読む(4)『入門講義 キリスト教と政治』①
キリスト教史とは西洋史のことであり、世界史の主要な構成要素として、この観点を見失っては歴史理解など望むべくもない。その前提に立つなら、本書は世界の政治形態がいかにキリスト教によって成り立っているかを詳(つまび)らかにする一読本だと言えるだろう。
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キリスト教から米大統領選を見る(16)米国の「社会的福音」の歴史とサンダースの民主社会主義
サンダース氏が「民主社会主義者」と称していることは前回述べた。その続きとして、米国における社会主義の歴史を少し見ていこう。そうすることによって、サンダース氏が単なる一過性の存在でないことが分かるだろう。
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【インタビュー】米ナッシュビルから歌の福音を ゴスペルシンガーのヴァネッサさんとサムさん
青木保憲牧師(大阪城東福音教会)が代表を務めるJAG(Japan Association for Gospels)主催で、米国の音楽の中心地ナッシュビルのゴスペルシンガーを招いてのコンサートが、8日から16日まで、関西各地の教会を会場に連日行われ、多くの人が足を運んだ。
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