神は科学をも用いられる
私は今回病気になり、病院通いを続けているうちに、科学的な根拠やデータは、強い説得力を持つものだなあと思った。正直、それによって落ち込んだり喜んだりした。
こういう科学的根拠は、真理なのであろうか。医学のみならず、アインシュタインの相対性理論、ニュートンの万有引力の法則等々は、自然界の真理なのかもしれない。人間の経験から見て、限りなく普遍的であり、普遍に近いし、人間社会ではほぼ法則に近い真理である。私たち人間社会、自然社会には、この種の真理が数多くあるし、私たちは日々何の疑いもなく、それらの真理の上に生活をしている。
神もこういった社会的自然界の真理を否定している訳ではない。科学的な根拠をも多いに用いることを奨励されている。科学と対立することなど断じてない。なぜなら、神は科学をもその手中に収めておられるからである。
ただ覚えておかねばならないのは、神は霊なるお方である。もちろん必要に応じて、人の姿もとられることはできるが、ご自身は霊なるお方である。
いくら科学的根拠も神の手中にあるとはいっても、それのみを手段に事を行うというのは、運用の仕方に問題がある。病の人に、心のことを無視して治療や診断を行ったり、人間を無視した政治的、軍事的な理由のみで、大量殺りく爆弾や兵器を使用したり、人間や動物、植物の共通の生活基盤、限定された生活の場を、それら生き物を無視した経済的理由だけでの乱暴な使用、開発等々、枚挙にいとまがない。
霊なる神の望んでおられることが抜けているから、こういうことが起こるのである。こういうことは、サタンの望んでいることなのである。神の御心はキリストにあり、私たちの救霊であり、根底には私たちに対する愛があり、私たちも神がしてくださったように、隣人に対することなのである。
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米田武義(よねだ・たけよし)
1941年4月16日、大阪生まれ。大阪府立三国丘高等学校、国立静岡大学卒業。静岡県立清水東高校定時制教師を勤めた後、東北大学大学院、京都大学大学院(国土防災技術(株)国内留学生)で学ぶ。国土防災技術(株)を退職し、(株)米田製作所を継承する。2008年4月8日、天に召される。著書に『死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―』(イーグレープ)。