神様を第一にする
今年になってから、何度落ち込んだことであろう。奈落の底に落ち込んだような深い失望と、悲しみの混ざった救いようのない気持ちに何度襲われたことであろう。
きっかけは、いつも先に希望の持てなくなった時である。もしくは持てないと思った時である。自分で想像したり、考えたり、本によって深刻な記事に直面したり、医師の単刀直入な言葉や、医師の示した記録やデータによったりして、自分の考えは、昨日までとは180度違うほど変わってしまう。自分でも驚くほど落ち込んでしまう。
しかし、いろいろ自分で考えているうちに、またいつもの失敗を犯している自分に気が付く。自分は問題や事実にばかり目が向いている。つまり自分中心の物の考え方をしている。神様中心に考えていないで、物事中心に考え、問題中心に考え、それを解決するために神様に頼り、祈っているという誤ったパターンに陥っていることに気付く。問題や事実を筆頭に置くと、こういう不安定で上下の激しい考えになる。神様を筆頭に置かねばならない。問題や事実はその次にその下に置かねばならない。
神様を筆頭に置き、この世のことをその基に置くならば、安定した答えが得られる。私はいつもこのことを忘れ、優先順序を逆にしてしまい、落ち込んだりした挙げ句、過ちに気付く。この世の出来事や問題がいかに大きなことであろうと、生死に関することであろうと、神様第一の考え方に変わりはない。いかなる問題も第2番目である。このことを忘れなければ、不安は雲散霧消する。
「何はともあれ、あなたがたは、神の国を求めなさい。そうすれば、これらの物は、それに加えて与えられます」(ルカの福音書12:31)
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米田武義(よねだ・たけよし)
1941年4月16日、大阪生まれ。大阪府立三国丘高等学校、国立静岡大学卒業。静岡県立清水東高校定時制教師を勤めた後、東北大学大学院、京都大学大学院(国土防災技術(株)国内留学生)で学ぶ。国土防災技術(株)を退職し、(株)米田製作所を継承する。2008年4月8日、天に召される。著書に『死に勝るいのちを得て―がん闘病817日の魂の記録―』(イーグレープ)。