福島第一原発方面への道のすべてが、このようなゲートで封鎖されていて、一般車両は入れない。検問に立つ人たちは、日々、何を思うのだろう。家族のことだろうか、自分の身のことだろうか。祈るような思いになることが、あるのではないだろうか。
浪江町の海岸。左側に荒れ地が広がる。津波はこの防潮堤を越えて街と人を押し流した。南相馬市と浪江町だけで合わせて1461人が、福島県全体では3144人(行方不明5人)が亡くなった。
海岸の近くに、高い塀に囲まれた一画がある。この白い遮蔽の内側に、瓦礫が山積みになっている様子がわずかに見える。塀の外側には、放射能数値がデジタル表示される装置が設けられていた。
「フクシマの語られない真実」「フクシマの嘘」――内外の報道で見出しとなった表現だ。ハッピーアイランドとも愛称された福島の地名が「フクシマ」となって一人歩きしている。
ネガティブな形で用いられ、印象に焼き付けられていくことを、地元の人たちは深く憂いている。どうしてこのようなことになってしまったのか。(続く:気仙沼市で3周年追悼記念合同礼拝 ~「揺れ動く地に十字架は輝く」の賛美)
■【3.11特集】震災3年目の祈り:
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※「震災3年目の祈り」と題して、シリーズで東北の今をお伝えしています。