クリスチャントゥデイは2020年、1300本以上のニュースや論説、コラムなどを配信してきました。その中から、アクセス数に基づいたトップ10ニュース(国内編)を発表します。(国際編はこちら)
【10位】自殺者、ホームレスの増加を食い止めたい NPO法人・抱樸が1億円CF開始、活動を全国へ
新型コロナウイルスの感染拡大により、全国を対象に緊急事態宣言が発令されていた4月末、NPO法人「抱樸(ほうぼく)」が、経済的影響により今後多くの生活困窮者が出ることを懸念し、目標金額1億円のクラウドファンディング(CF)を始めました。オンラインで行われた会見には、理事長で牧師の奥田知志(ともし)氏らが出席。CFは7月末、期限数日前になって1億円を突破し、計約1億1580万円が集まりました。寄付者は1万人を超えました。
【9位】カトリック神父の性虐待被害者3人が体験語る 「悲しみと怒りで全身が震えた」
カトリック教会の聖職者から性虐待を受けた被害信者らが6月、長崎市内で集会を開き、「カトリック神父による性虐待を許さない会」を発足させました。集会では、仙台、東京、長崎の各地で被害を受けた男女3人がそれぞれの体験を語りました。7月にもオンラインで集会が開かれ、性暴力被害に詳しい精神科医・臨床心理士の白川美也子さんが講演。9月には被害者の女性1人が、カトリック聖職者による性被害をめぐる国内初の訴訟を起こしました。
【8位】任命拒否された日本学術会議会員候補にキリスト教学の芦名定道・京大教授
日本の科学者たちが政策提言を行う国の特別機関「日本学術会議」の新しい会員候補として、同会議が推薦した105人のうち6人について、菅義偉首相が任命を拒否したことで社会的な問題となりました。任命を拒否された6人の中には、キリスト教学が専門の芦名定道・京都大学大学院文学研究科教授もいました。
【7位】代々木公園のホームレス伝道「通路チャペル」 ココロケアの働き
東京ドーム11個分と、東京都内でも有数の広さがある代々木公園では、超教派のネットワーク「Kokoro Care(ココロケア)」が、12年前からホームレス伝道の働きを行っています。日本だけでなく、海外のクリスチャンも多く関わっている働きです。副代表の岡谷重雄さんは、日本の教会の中にはホームレスを受け入れないところもあるとし、さまざまな教会の人たちがこうした働きに参加することで、教会が真の意味で「キリストの体」になるのではないか、と話していました。
2015年に名称を「世界平和統一家庭連合」に変更した世界基督教統一神霊協会(統一協会)が4月、名称を「天の父母様教団(英語表記:Heavenly Parents Church)」に変更すると発表しました。創設者の故文鮮明氏の妻で現総裁の韓鶴子(ハン・ハクチャ)氏が、世界の幹部らとの電話会議で告知したとされています。しかしその後の報道によると、名称変更は1カ月余りで撤回されました。
【5位】女優の岡江久美子さん、新型コロナで死去 義兄にクリスチャンの大和田伸也さん
女優の岡江久美子さんが4月、新型コロナウイルスによる肺炎で死去しました。昨年リリースされたアプリ「聴くドラマ聖書」に神役で出演し、クリスチャンとして知られる義兄の大和田伸也さんは、「まさかこんな日が来るとは思ってもいませんでした。残念です。悔しいです。若い頃からの思い出は尽きません」などとコメントしました。
【4位】立教大学の要職教員がセクハラ、初期対応の誤りで総長が引責退任へ
学内の要職者であった教員が学生らに対してセクシャルハラスメントを行っていたことが発覚し、さらにその後の初期対応に誤りがあったとして、立教大学の郭洋春(カク・ヤンチュン)総長が5月、任期を1年残して退任すると発表しました。この問題をめぐっては、初期対応を行った副総長2人が先に責任を取って退任していました。教員は最終的に懲戒解雇処分となりました。郭氏の退任を受け12月には次期総長候補者選が行われ、文学部キリスト教学科の西原廉太教授が選出されました。
【3位】映画「星の子」 「宗教」を信者二世の視点で内側から描いた斬新な一作
第157回芥川賞候補にもなった今村夏子の原作小説を映画化した「星の子」が10月、公開されました。「ひかりの星」という宗教団体に入信した両親と娘2人の物語。両親は怪しげな宗教行為を実践するとともに、多額の献金を教団にささげ、家族は経済的に困窮します。そんな生活が嫌になり、長女は家出。一方、次女は葛藤を抱えながらも、そうした特殊な環境を受け入れ、両親と共に生きていきます。レビューを執筆した青木保憲牧師は、「激しい」ペンテコステ派の母親に育てられたとし、自身の中には映画の長女と次女の両方の姿が存在していたと気付かされたと言います。そして「本作は、ある意味『クリスチャン・ジュニアあるある』が満載だ」と評しています。
【2位】YOSHIKIさん「神は耐えられない試練を人には与えない」 新型コロナで緊急メッセージ
X JAPANのYOSHIKIさんが4月、新型コロナウイルスで多くの人々が苦しんでいる状況を踏まえ、「暗闇は暗ければ暗いほど、小さな光だって輝いて見える」「神は耐えられない試練を人には与えない」などという緊急メッセージを伝えました。聖書由来とみられる「神は耐えられない試練を人には与えない」という言葉は、日本でも著名人が似た言葉をよく語っており、昨年2月には、フィギュアスケートの羽生結弦選手や白血病を公表した競泳女子日本代表の池江璃花子選手が語っていました。
【1位】涌谷保育園職員17人が退職届、元園長牧師のハラスメントに耐えきれず
日本基督教団涌谷(わくや)教会(宮城県涌谷町)が設立した「涌谷保育園」(社会福祉法人涌谷みぎわ会運営)で、元園長の瀧澤雅洋氏によるハラスメントを訴えていた職員のうち17人が11月、一斉に退職しました。瀧澤氏はハラスメントの問題をめぐって、教会からは昨年10月に牧師を解任され、同園の園長も今年3月に退任しました。しかし「施設管理者」という役職を新設し、現在も法人理事長、施設管理者としてとどまっています。園近くで飲酒を繰り返している姿も目撃されており、町議会でも問題が取り上げられたほか、新聞やテレビでもこの問題が何度も報じられました。
【番外】論説・コラムでは、三谷和司牧師によるイースター・メッセージ「『あなたは存在しているのか?』―新型コロナウイルスの恐怖に対する『信仰』による対応」が最もアクセスが多く、川口一彦牧師の「新・景教のたどった道」シリーズの第35回や、パチンコ依存症に関する「ギャンブル依存に思うこと 『パチンカス』生活の果てに」、米ニューヨークで新型コロナウイルスに感染し回復されたゴスペル音楽プロデューサーの打木希瑶子さんによる寄稿などが多く読まれました。