日本の科学者たちが政策提言を行う国の特別機関「日本学術会議」の新しい会員候補として、同会議が推薦した105人のうち、菅義偉首相が任命を拒否した6人の中に、キリスト教学が専門の芦名定道・京都大学大学院文学研究科教授がいたことが分かった。NHKなどが2日伝えた。
研究室のホームページによると、芦名氏は日本宗教学会や日本基督教学会、日本組織神学会などに所属しており、2018年からは宗教倫理学会の会長も務めている。NHKなどによると、「安全保障関連法に反対する学者の会」の賛同者の一人で、安保法制に反対する「自由と平和のための京大有志の会」の賛同者でもある。ナチス・ドイツを逃れ米国に亡命した20世紀を代表する神学者パウル・ティリッヒの研究などで知られる。
他に任命を拒否された5人は以下の通り。いずれも安保法制や特定秘密保護法など、政府の方針に批判的な立場を示してきた。
- 東京大社会科学研究所の宇野重規(しげき)教授(政治思想史)
- 早稲田大大学院法務研究科の岡田正則教授(行政法)
- 東京慈恵会医科大学の小澤隆一教授(憲法学)
- 東京大大学院人文社会系研究科の加藤陽子教授(日本近代史)
- 立命館大大学院法務研究科の松宮孝明教授(刑法)