11月のローマ教皇フランシスコの訪日を受け、日本カトリック司教協議会は安倍晋三首相に対し、核兵器禁止条約への署名と批准を求める声明を発表した。声明は12日付。カトリック中央協議会の公式サイトで23日、発表された。
声明で同協議会の髙見三明会長(長崎大司教)は、「被爆者をはじめ国内外の無数の人々は、唯一の戦争被爆国である日本が核兵器廃絶に関して国際社会をリードすることを期待しています」とし、「それに応えるためにも、『核兵器禁止条約』への署名および批准に対してご英断を下されるよう要請いたします」と述べた。
核兵器禁止条約をめぐっては昨年3月にも、同協議会の社会司教委員会が安倍首相と河野太郎外相(当時)に対し、署名と批准を求める要望書を提出していた。声明は、教皇が被爆地の長崎と広島で語った平和メッセージの重要性を強調しつつ、「『核兵器から解放された平和な世界』を実現するために、カトリック教会も『核兵器禁止条約を含め、核軍縮と核不拡散に関する主要な国際的な法的手段』を支持します」と訴えている。
平和メッセージで教皇は、「核兵器の保有は、それ自体が倫理に反しています」(11日24日、広島・平和記念公園)と述べ、政治指導者らに対しては「核兵器は、今日の国際的また国家の安全保障への脅威に関して私たちを守ってくれるものではない、そう心に刻んでください」(同日、長崎・爆心地公園)と訴えていた。