立教大学は15日、ハラスメントを行ったとして学内の要職者であった教員を懲戒解雇処分とし、初期対応を誤ったとして、郭洋春(カク・ヤンチュン)総長が来年3月末に任期を1年残して退任すると発表した。毎日新聞が関係者の話として伝えたところによると、ハラスメントの内容は学生らに対するセクシャルハラスメント。
立教大学の発表によると、教員によるハラスメントは2018年6月に発覚。副総長2人と教員が所属する学部が対応に当たり、教員は19年3月に要職を解任された。しかしその後、ハラスメントに関する調査があり、同年6月、初期対応を行った副総長2人が退任。当時の報道によると、2人は初期対応で誤りがあったとして、責任を重く受け止め辞意を申し出たという(関連記事:立教大学の副総長2人が退任、ハラスメントの初期対応で誤り)。
同年7月、教員による新たなハラスメントが発覚。同年10月から今年3月にかけ、教員のハラスメントに関する人事委員会や学外の第三者を交えてのハラスメント対応の検証を行い、3月23日に教員の懲戒解雇を決定した。第三者を交えての検証では、教員が学内の要職者であったことや、初期対応における判断の誤りが解決の遅れにつながったとする指摘があったという。
郭総長はこれを受け今月8日、大学を運営する学校法人立教学院の理事会で、ハラスメントを行った教員の任命責任と監督責任、また初期対応の責任を重く受け止め、任期途中での辞意を表明。理事会が同日、申し出を受理した。退任日が来年3月31日となるのは、新型コロナウイルスへの対応や次期総長選定のための手続きなどを考慮しての対応。
次期総長選は、7月に公示を行い年内に実施。12月の理事会で次期総長が決定する見込み。
毎日新聞や共同通信によると、ハラスメントが18年6月に発覚した際、郭総長が副総長2人に対応を指示。2人は学内の「人権・ハラスメント対策センター」に相談しないまま、教員が所属する学部内で調査を行い、同年12月に学部長による厳重注意処分とするのみにとどめた。郭総長はこれらの報告を受けた上で、教員を解任せずに要職にとどめたが、対策センターが19年3月、処分が軽過ぎると指摘。これにより、教員が要職から解任されることになったという。