主人は小学生のころ、ボーイスカウトに入っていました。
たき火やロープ結び、薪集め・・・などなどキャンプのノウハウを一通り身に付けていて、
「子どもが行ける年齢になったら、行こう」
というのが、結婚したときからの口癖。
長男が小学校に入学したのを機に決行しました。
当時、世はキャンプブームで、でかいRV車を湖畔とか、海辺とか、河原とか・・・とにかく水辺に停めて、バーベキューをジュージュー楽しむ、といったようなのがキャンプの正道だと、自動車会社やアウトドア雑誌はあおっておりました。
けれども、夫と私はどこかでRV車を工面しようなどとは頭をかすめもせず、とにかく、“あるもの”で決行。
あるものとは?
三菱の乗用車タイプの軽。
そこに積み込んだもの。
6人用テント。
シュラフ4個。
大型クーラーボックス1、小型クーラーボックス1。
調理用品と4日分の食糧、
バーベキューストーブ、アミ、鉄板。
釣竿3。
ごみ箱・ギター・4人分の着替え、水着、バスタオル、
あと、毛布とか、おもちゃ、おやつ、ティッシュとか、いろいろ。
あーでもない、こーでもないと、夫と私は軽自動車におさめて、汗をふきふき、さあ、出発!
ところが、息子たちの座る席がない!
急いでバーベキューのコンロや網、ごみ箱にギターをおろして、隙間に息子たちを押し込み、今度こそ、本当に出発!
え? それではバーベキューができないって?
ご心配なく。ちゃんと息子たちの膝に乗せましたから。ギターは私が抱えて助手席に。
キャンプ場までの3時間は長かった。赤信号で止まるたび、対向車に出会うたび、先方は車をのぞき込んで大爆笑。
それでも息子たちから苦情も出なかったのは、そこはそれ、彼らはキャンプ初体験でしたから。
「キャンプとはこ~ゆ~ものかいな」
と思ったのではないでしょうか。
それどころかすっかりやみつきになり、1年目の夏に4回も行っちゃったのです。
2回目からは私、パッキングのプロになりました。
↑の荷物を積み込んだ上、息子たちがねそべりくつろげるスペースさえ作り出したのです。
アウトドア雑誌に売り込みたいくらいのテク。
3回目は、主人を置いて息子と私だけで先発し、テントを張り、夕食を作って待っていると、仕事を終えた主人がやってきて合流。最終日にはキャンプ場から「行ってくるぞ」とご出勤。夕方まで遊んだ私と息子たちはテントをたたみ、荷物をしまい、帰途につきます。
運転する私の後ろでは、遊び疲れたふたりの息子たちがぐっすりと眠っていました。
幸か不幸か、翌年、三菱の軽は寿命がきて、代わりに7人乗り貨物用中古ラルゴでのゆったりキャンプ時代が始まりました。
息子たちが親とのキャンプ大好きな頃、約束しました。
「毎年こうやって一緒にキャンプしようね」
「するする、まいとし」
「二人が大人になって結婚したら、奥さんも子どもも連れてきて、年に一回でいいからキャンプに集まろうね、約束よ」
「は~いゝ(^o^)ノゝ(^o^)ノ」
と、息子たちは約束してくれた。十数年前。
なのに・・・
小学校高学年になるころから、キャンプにはついてこなくなりました。
うそつき(-_-)/~~~
子どもが大きくなるまで待っていたら、どんなゴージャスなセットをそろえてもついてきません。とにかく行ってしまおう! 必要なものは後からついてくるというのが、わが家のモットーです。
(文・しらかわひろこ)