NHKのあさイチで、「ママさん起業家」が取り上げられていました。
結婚して仕事を辞めたのはいいけれど、再就職に思うような職がない。子育てしながらでは、勤務も難しい所がある。
で、「起業」を目指すママさんたちが増えているんだそうです。
思い出しました! 私も二人の年子の息子育て中に仕事を探したけど、
>子どもが熱を出したり、参観日や行事日があったりする時、休み取りにくそうだな~
>小さい頃は、一緒にいたいな~
ということで、なかなか見つかりませんでした。
「小さいお子さんのいる方は、子どもさんが熱を出したと言っては休まれるので、採用できません」とはっきり言われたところも、言われなくてもそういう本音があって不採用通知が来たところも。
うちはそれに加えて、長男の言葉の問題でいろいろと通っていたので、通常の勤務は難しかったし。
まわりにも、
「仕事なんか見つからないのよね」
というお母さん仲間がたくさんいて、
「よっしゃ~!いっちょ、起業!」と冗談で言うと、
「ひろこさん、もしそうなったら、雇ってね」
「わたしも」「お願い」。
ワイワイ盛り上がりまして。
私が政府なら、もっとママさんの働ける場を作るんだけどな~。
子どもも一緒に近くにいられる職場環境。熱出したらちゃんと看てくれる・様子も見に行ける環境。参観日や行事のたび、頭下げて気兼ねしないでお休みとれる環境。
そういうのが揃った働く場。
ある意味虫のいい条件を並べて、私は、経済の必要のため祈っていました。
そんなある日、夢を見ました。新聞販売所の経営をしている従弟が笑顔で現れ、彼の後ろにある小さい木の引き出しの一つからがまぐち財布を取り出して私に渡してくれたのです。とてもはっきりした、不思議な夢。
翌日、その従弟の新聞販売所で配達員を探していることを知りました。ちょうど私が住んでいる区域を配達していた人が急にやめてしまい困っているのだと。「あの夢はこのことをさしていたんだ」。私はその足で従弟の販売所へ行き、有無を言わさず(笑)採用してもらいました。
新聞配達というのは、小さい子どもがいる人にはもってこいのお仕事です。子どもや家族が眠っている間にできるし、昼間は束縛されないので、参観日であれ医者であれ、気兼ねなく行けるし。
同時に夜、中学生を集めて英語を教える仕事も再スタートしました。これまた夜間は夫に子どもを見てもらえ、昼間は束縛なく自由にできるお仕事です。
そのようにして、私が珍しく昼間家にいる主婦だったもので、我が家は息子たちの友達のたまり場になりました。入れ代わり立ち代わり、毎日10人くらいの男の子たちがワイワイ集まってきます。その子たちのお母さんたちがお仕事に行ってせっせと稼いでいる時間に、私はせっせとジュースやお菓子をやりくりして出し、彼らが帰った後はお片付けして、翌日はまた笑顔で迎えて。
その中で痛感したのは、ある程度の年齢になるまでは、子どもにはそばに大人が付いていないといけない、ということです。
2階の子ども部屋で子どもたちが遊んでいる間、私は一階の別の部屋で洗濯物を取り入れてたたんだり、夕食の準備をしたりしていました。多少のケンカの声が聞こえてきても知らん顔していました。
・・・だけど、同じ家にいたら、空気で伝わってくるものがあります。
いじめとか、
弱い子や小さい子のものをうまくだまくらかして取り上げてしまう、
他の子が持っている新品と、自分が使い古したものを言葉巧みに恩着せがましく交換する。
そういうことが、子どもの世界で起きるのです。
息子たちの友達は普通の田舎の子で、小さい頃から知っている子たちで、だけどそういうことが起きます。
空気で違和感を覚えた時だけ、「Aくん&Bくんのおばちゃん=私」の出番。さりげなくお菓子やジュースの追加を持って部屋へ行くと、後ろめたいことがある子は、何も言わなくても私の顔を見ておもちゃを返したりしていました。
ある程度の年齢になるまでは、子どもだけにしていたらダメだな~。
男でも女でもおじいちゃんでもおばあちゃんでも、誰でもいい。
空気が伝わるところに、誰か大人がいないとダメだ。
痛感しました。
現代、いじめが深刻化しているのは、この辺もかなり原因なのではないかしらん。
でも、まさか自分の息子たちがいじめの標的になろうとは、夢にも思いませんでした。(つづく)
(文・しらかわひろこ)