【CJC=東京】教皇フランシスコは、聖職者による性的虐待を隠蔽(いんぺい)した司教を罰する教会内法廷の創設を承認した。バチカン(ローマ教皇庁)報道事務所が10日、発表した。子どもを性的に虐待した聖職者をかばったり、虐待の訴えに敏速に対応しなかったりした疑いのある司教は、教会法によって「司教職務の乱用」という罪を問われることになる。
この新体制を実施するため、教皇は、教理省内に新しく審判機関の設立を命じた。担当者は教皇が任命し、今後5年間の審理状況を踏まえた上で、将来的な対応を検討する。
AFP通信によると、「聖職者による虐待被害者ネットワーク」(SNAP)のバーバラ・ブレイン氏は、「児童性的虐待を犯し隠している司教に、別の司教が対応する限り、ほとんど変化は起きない」と語った。
バチカンによると、2004~13年の10年間に3420件の虐待被害の申し立てがあり、848人の聖職者が資格を剥奪されたという。