神の最大の願いは祝福
話は変わりますが、私の外語学院に来る海外からの教師のことです。特に欧米社会から応募してくる英語教師やドイツ語教師を観察すると、たいへん興味深いものです。欧米人の文化は、一般に自己アピールすることが求められます。「自分はこれができる。あれもできる」と言わないと評価されない文化だからです。彼らの履歴書には、その彼らが「できる」ということが多々書いてあります。初めのころ、私はそれをまともに受けていましたが、実際に来日したら違っていたこともありました。「フランス語を話せる」と書いてあっても、フランス語を話せない人がいました。「ドイツ語を話せる」と書いてあっても、ドイツ語を話せない人もいました。自己アピールすることが彼らの文化では当たり前であることは結構ですが、問題は誇張していたことです。確かに「できる」とは相対的な表現で、少ししかできなくても、その人にとっては「できる」ことになります。彼はそれをアピールしたのです。しかし日本の文化は違いますね。聖書の文化はさらに異なります。心静かに考えれば分かることですが、評価するのは相手(クライアント)です。周りの人々が私たちを評価するのです。
ところで、聖書は人が真に評価されるのは、人をつくられた神だと教えています。ここで大切なことがあります。日本にはたくさんの神々があり、神社、仏閣をはじめとして約3万以上の宗教があるといわれています。これらの宗教のほとんどは、人間がつくった神々にすぎません。「人間が」つくった神と、「人間を」つくった神では、随分大きな開きがあります。このことがはっきりしないと、私たちはどうしても「人間が」つくった神々に、願い事、願望、そして頼み事をすることが多いのです。あなたには、母親は一人しかいないでしょう。しかし、世界にはたくさんの母親がいます。でも、あなたを産んだ人は一人です。父親もそうです。あなたをつくられた神は一人です。これが創造神である真の神で、バイブルが語る神です。この神が私たちをつくり、命を与え目に留めてくださっているのです。その神が私たちを評価されるのです。それだけではなく、神の最大の願いは、私たちが祝福の人生を送ることです。ビジネスマンはビジネスマンとして、経営者は経営者として、研究者は研究者として、それぞれの分野や立場で祝された人生を送ることです。しかしながら、私たちの現実生活は問題ばかりに心を奪われ、大切な祝福から目が離れてしまっているのです。では、私たちはどのように生きるべきでしょうか。
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黒田禎一郎(くろだ・ていいちろう)
1946年、台湾・台北市生まれ。70年、ドイツ・デュッセルドルフ医科大学病院留学。トリア大学精神衛生学部、ヴィーダネスト聖書学校卒業。75年、旧ソ連・東欧宣教開始。76年、ドイツ・デュッセルドルフ日本語キリスト教会初代牧師就任。81年、帰国「ミッション・宣教の声」設立。84年、グレイス外語学院設立。87年、堺インターナショナル・バイブル・チャーチ設立、ミニスター。90年、JEEQ(株式会社日欧交流研究所)所長。聖書を基盤に、欧州情報・世界 情報、企業講演等。98年、インターナショナル・バイブル・チャーチ(大阪北浜)設立、活動開始。01年、韓日ワールドカップ宣教GOOL2002親善大使として活躍。著書に『世界の日時計』(Ⅰ~Ⅲ)、『無から有を生み出す神』『新しい人生』『愛される弟子』『神のマスタープランの行くへ』『ヒズブレッシング』、韓国語版『聖書と21世紀の秘密』、中国語版『神の聖書的ご計画』他訳書あり。