第2番目に「成功へ導く『社訓』はどこにあるか」です。私は思考が行動を生み出すと考えています。人は、考えること(思考)によって、足をどの方向に向けるかを決めます。どんな思いを持ち、どんな考えを頭の中に持つかによって、どの方向に進むかを決めるのです。したがって、頭に何を入れるかは重要なことです。さらに重要なことは、積極的・肯定的な思考を持つことです。
「求めなさい。そうすれば与えられます。捜しなさい。そうすれば見つかります。たたきなさい。そうすれば開かれます。だれであれ、求める者は受け、捜す者は見つけ出し、たたく者には開かれます」(マタイ7:7、8)
ここに3つの動詞が出てきます。「求めなさい」「捜しなさい」「たたきなさい」です。私はこの3つの動詞が大好きです。なぜかといえば、積極的な動詞だからです。「求めなさい、捜しなさい、たたきなさい」とあるように行動するなら、何が起こるのでしょうか。与えられるのです。捜すならば、発見できるのです。たたくならば、開かれるのです。この3つが対比的表現で書かれているところに、私は興味を覚えます。聖書は私たちに積極的・肯定的思考を持つことを教えています。
ビジネス界の現実は厳しく、多くの戦いがあります。しかしながらこの黄金律は「求めなさい、探しなさい、たたきなさい」と教えている事実を、しっかり覚えておきたいものです。このような思いが私たちの思考を支配していく時、その思考回路は次第に肯定的な回路で占められるようになります。そして、それが自然に行動を生み出すことにつながります。私たちの口から不平や不満ばかり出ている時は、それが顔の表情にも表れ、行動にも表れます。当然のことながら、人間関係も難しくなっていきます。しかしながら、聖書の教えは異なります。現実の状態は決してよい状況でなくても、先にある祝福という結果を先取りしなさいと教えています。肯定的な言葉を発し、そして積極的に求め、捜し、たたくこと、聖書が教える姿勢はここにあります。これを「社訓」の中で明示し、従業員、スタッフに徹底していくならば、その会社(企業体)は前向きに進んでいきます。
ここで大切なことがあります。それは労働、働くということに関してです。聖書は、「勤勉なしもべの評価」についてはっきりと述べ、人が勤勉に汗を流して働くことを勧めています。一方、主人(神)は怠け者を評価しないこともはっきり書いています。勤勉なしもべに対して主人は、「よくやった。忠実なしもべだ!」と評価します。評価は、自分ではなく他の人がするものです。この点は、押さえておくべき大切なポイントです。
■ キリストの人材教育: (1)(2)(3)(4)(5)(6)(7)(8)(9)(10)(11)
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黒田禎一郎(くろだ・ていいちろう)
1946年、台湾・台北市生まれ。70年、ドイツ・デュッセルドルフ医科大学病院留学。トリア大学精神衛生学部、ヴィーダネスト聖書学校卒業。75年、旧ソ連・東欧宣教開始。76年、ドイツ・デュッセルドルフ日本語キリスト教会初代牧師就任。81年、帰国「ミッション・宣教の声」設立。84年、グレイス外語学院設立。87年、堺インターナショナル・バイブル・チャーチ設立、ミニスター。90年、JEEQ(株式会社日欧交流研究所)所長。聖書を基盤に、欧州情報・世界 情報、企業講演等。98年、インターナショナル・バイブル・チャーチ(大阪北浜)設立、活動開始。01年、韓日ワールドカップ宣教GOOL2002親善大使として活躍。著書に『世界の日時計』(Ⅰ~Ⅲ)、『無から有を生み出す神』『新しい人生』『愛される弟子』『神のマスタープランの行くへ』『ヒズブレッシング』、韓国語版『聖書と21世紀の秘密』、中国語版『神の聖書的ご計画』他訳書あり。