書籍
-
モーリヤック著『イエスの生涯』 ノーベル文学賞受賞のカトリック作家が描く異色のイエス伝
本書は、ノーベル文学賞受賞のカトリック作家フランソワ・モーリヤック(1885~1970)が著した異色のイエス伝である。神学や聖書学の立場ではなく、文学の立場からイエスの生涯について語ったもので、本作が世に出たときは多くの人に衝撃を与えた。
-
私の語学学習経験と『古典ギリシア語入門』 CD付きの画期的な入門書
神学校で学んだ「新約聖書の中のギリシャ語」という範疇(はんちゅう)ではなく、もう少し広く、一つの言語として、古典ギリシャ語になじみたいと考えていたときに手にしたのが、この『古典ギリシア語入門』(白水社)でした。
-
神学書を読む(56)「令和」となった今こそ振り返るべき日本の宗教 『日本人は本当に無宗教なのか』
元号が「令和」となり、新たな時代が始まった(とされている)。その変化を日本人として一番感じさせられたのは、他でもない新天皇の一連の即位式典である。そんな中、『日本人は本当に無宗教なのか』というストレートなタイトルの本書と出会った。
-
神学書を読む(55)『福音派とは何か?』(後編・クリスチャンから見た本書)
前編に続き、鈴木崇巨(たかひろ)氏による『福音派とは何か? トランプ大統領と福音派』を取り上げる。後編はクリスチャン(特に福音派・ペンテコステ諸派)の視点から見た評論である。
-
神学書を読む(55)『福音派とは何か?』(前編・クリスチャンでない人から見た本書)
目にしたとき、瞬時に手に取ってしまった。どうも私は、「福音派」という言葉には「パブロフの犬」並みに条件反射してしまうようだ。思わず中身をチェックする。そして一言「ついに出始めたか・・・」。そんな声なき声が口をついて出てきた。
-
神学書を読む(54)永井孝尚著『世界のエリートが学んでいるMBA必読書50冊を1冊にまとめてみた』
教会の牧会を「経営」と呼ぶことに抵抗があるだろうか。教会における働きすべてを、資本主義に置き換えて考えることに難色を示す教会関係者は多いだろう。しかし時として、あえて振り子を逆に振ってみることで、見えてくるものがある。
-
神学書を読む(53)公民権運動は果たして成功したのか?(下)【挑戦】 『ヒップホップ・レザレクション』
そういった意味で、本書は現代日本のキリスト教界へ問題提起を喚起する書である。著者の山下壮起氏もまた牧師を生業としていることからするなら、彼は米国の宗教事情ということで、識者へ問題を提起し、同時にキリスト教界にも挑戦を投げ掛けているのである。
-
神学書を読む(53)公民権運動は果たして成功したのか?(中)【衝撃・その2】 『ヒップホップ・レザレクション』
私たちは、一般的に「公民権運動」が成功したと見ている。だが、本書第1章で著者の山下壮起氏が着目したのは、公民権運動の恩恵を受けて中産階級化した人々と、その恩恵を受けられず、いまだに貧困の中であえぐ低所得者層との乖離(かいり)であった。
-
神学書を読む(53)公民権運動は果たして成功したのか?(上)【衝撃・その1】 『ヒップホップ・レザレクション』
本書の著者、山下壮起氏と私は同志社大学神学部神学研究科の先輩後輩の関係にある。年齢的には私の方が上だが、入学年に関しては山下氏の方が早かった。同じ米国宗教史を専門としていたため、同じゼミに入っていたことで知り合った間柄である。
-
神学書を読む(52)『キリスト教と死』に見る人間の愚かさとそれに注がれる温かな眼差し
王様や法王(教皇)などが現世でどんなことをしたのか、ではなく、どんな死に方をしたのか、どんな処刑スタイルを採択したのか、はもちろんのこと、教派による死生観の違いが、「幽霊」という存在の形態にまで影響を及ぼしてきた、というあたりは白眉である。
-
神学書を読む(51)大嶋重徳著『若者に届く説教 礼拝・CS・ユースキャンプ』
過日、日本福音自由教会の70周年記念大会に参加した。その中でひときわ注目を集めていたのが大嶋重徳(しげのり)氏。キリスト者学生会(KGK)の総主事として、若者たちの心を捉えるメッセージと活動で、全国に名が知れ渡っている牧師のお一人である。
-
【書評】酒井邦嘉著『チョムスキーと言語脳科学』
私なりに一言でこの本を要約すれば、「人間の脳はどのような構造の機械になっているから言葉を生み出すことができるのか、という疑問と格闘し、それに明快な答えを、意味を可能な限り排除した『統語論』として与えたのがチョムスキーだ」ということだと思う。
-
【新刊案内】うつ病をクリスチャン精神科医が霊的観点からも解説 グラント・マレン著『こころの解放』
目に見えず複雑な動きをする心が、いかに生活に大きな影響を及ぼしているのか、医療的観点だけでなく、霊的観点からも解説したカナダの精神科医グラント・マレン氏の著書『Emotionally Free』が9月、『こころの解放』として邦訳出版された。
-
神学書を読む(50)『ルポ 人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から』
著者の三井誠氏は、2015~18年に、日本の新聞社の米ワシントン特派員として大統領選挙、科学コミュニケーション、NASAの宇宙開発などを取材している。その時に感じた「科学と宗教」の相克を、ルポタージュという形でまとめたのが本書である。
-
【新刊案内】聖書は科学に反しない 愛多妥直喜著『いま明かされる 宇宙創造の新事実』
聖書から割り出される地球の年齢は本当に6千年なのか。旧約聖書に記されているノアの洪水は、地球の歴史上いつ起こったのか。現役牧師が最新の研究による科学データと聖書の記述を分かりやく紹介しながら、地球の歴史に秘められた真実に迫る。
-
天才的数学者パスカル、キリスト者として歩んだその生涯と遺著『パンセ』
欧米では、聖書に次いで広く読まれているのが、この『パンセ』だといわれ、多くの著者がこの書によって知性と信仰心を養われてきた。パスカルは天才的な数学者・科学者として世に知られているが、その彼がなぜこのようなキリスト教書を著したのだろうか。
-
【書評】進藤龍也著『元極道牧師が聖書を斬る!』 人生経験からにじみ出る面白くて深いメッセージ 山崎純二
僕と進藤先生との最初の出会いは、JTJ神学校の入学式だった。「出会い」とは言っても、言葉を交わしたわけではなく、すごい目つきの鋭い人が後ろの方に座っていて、なんとも言えないオーラを放っていたのを今でも覚えている。
-
神学書を読む(49)『人類の起源、宗教の誕生』 学術的異種格闘技の妙!アカデミック版「アベンジャーズ」がここに!
いわゆる対談集である。しかし、ただの対談集ではない。「人」という同じ研究対象を持ちながら、それをまったく異なる視点から追究する希代の研究者たちが、互いの研究分野をクロスオーバーさせながら自由に語り尽くすというぜいたくな内容に仕上がっている。
-
キリスト教書店大賞に『わたしはよろこんで歳をとりたい』 老神学者が写真と共につづる「老い」
「キリスト教書店大賞2019」に、『わたしはよろこんで歳をとりたい』(こぐま社)が選ばれた。300冊を超える著書があるドイツの神学者イェルク・ツィンクが、2016年に94歳で亡くなる前に、美しい写真と共に老いについてつづった本。
-
神学書を読む(48)石川明人著『キリスト教と日本人―宣教史から信仰の本質を問う』
まず目に飛び込んできたのは、本書の帯に書かれた衝撃的な言葉である。「世界最大の宗教をなぜ日本人の99%は信じないのか?」 この問いは、古くて新しい。私が物心付いたとき以来、現在に至るまで、常に日本のキリスト教界で問われ続けてきたことである。
人気記事ランキング
-
説教でトランプ米大統領に不法移民らへの「慈悲」求めた聖公会主教、説教の意図語る
-
「サタン」が聖書を読む理由 ウクライナの最前線から
-
トランプ米大統領の就任式で大衆伝道者のグラハム氏らが祈り、神の導きと守り求める
-
表現者意識を持とう 佐々木満男
-
家族をも救いに導く神の御業 万代栄嗣
-
性の多様性に揺れる世の中で、論争するより伝道しよう 菅野直基
-
信仰を理由に迫害されたキリスト教徒は世界で3億8千万人、最悪の迫害国は北朝鮮
-
日本人に寄り添う福音宣教の扉(214)宣教における地域教会の役割 広田信也
-
第49回日本カトリック映画賞、「侍タイムスリッパー」に決定
-
聖書アプリ「ユーバージョン」、1日で79万8千回インストール 最多を記録
-
「文学的原体験は聖書」 大学院生の鈴木結生さんが芥川賞受賞 父は牧師、教会で育つ
-
トランプ米大統領の就任式で大衆伝道者のグラハム氏らが祈り、神の導きと守り求める
-
「私は米国を再び偉大にするために神に救われた」 トランプ氏が第47代米大統領に就任
-
第49回日本カトリック映画賞、「侍タイムスリッパー」に決定
-
表現者意識を持とう 佐々木満男
-
信仰を理由に迫害されたキリスト教徒は世界で3億8千万人、最悪の迫害国は北朝鮮
-
NCC靖国問題委、石破首相と野田立憲代表の伊勢神宮参拝に抗議
-
第27回アジアキリスト教病院協会総会詳報(1)淀川キリスト教病院理事長が基調講演
-
花嫁(18)繁華街で ところざきりょうこ
-
聖書アプリ「ユーバージョン」、1日で79万8千回インストール 最多を記録
-
「文学的原体験は聖書」 大学院生の鈴木結生さんが芥川賞受賞 父は牧師、教会で育つ
-
トランプ米大統領の就任式で大衆伝道者のグラハム氏らが祈り、神の導きと守り求める
-
今、旧統一教会を知るための3冊 溝田悟士
-
神がいるのになぜ? キリスト教弁証学からの「悪の問題」
-
「世界迫害指数2025」発表 12カ国を「レッドゾーン」に指定
-
南部バプテスト派出身初の米大統領、日曜学校で長年奉仕 ジミー・カーター氏の信仰
-
米ロサンゼルスの山火事、教会やキリスト教学校も全焼など大きな被害
-
NCC靖国問題委、石破首相と野田立憲代表の伊勢神宮参拝に抗議
-
「摂理」教祖の鄭明析氏、懲役17年確定 女性信者らに性的暴行やわいせつ行為
-
2024年のトップ10ニュース(国際編)