ローマ教皇フランシスコは12月31日、この日朝に亡くなった前ローマ教皇ベネディクト16世について、「高貴」であると同時に、「優しさ」のある人物であったと述べ、95歳で帰天した前任者を偲んだ。
大みそかに行われた「神の母マリア」の祭日(1月1日)の前晩の祈り(第一晩課)で、教皇フランシスコは説教を行い、前教皇ベネディクト16世の長年にわたる教会への忠実な証しと献身に対する「感謝」を語った。
「優しさについて言えば、この瞬間、私の思いは当然、今朝私たちの元を去った親愛なる名誉教皇ベネディクト16世に向かいます」
「私たちは、彼がいかに高貴で、とても優しさのある人物であったかを、感動と共に思い起こします。そして私たちは、心の内に感謝を覚えるのです。それは、教会と世界に彼を与えてくださった神への感謝であり、彼が成し遂げた全ての善への感謝であり、そして何よりも、特にここ数年の黙想の生活における彼の信仰と祈りの証しへの感謝です」
「彼による執り成しと、彼が教会の善のためにささげた犠牲、その価値と力は、ただ神のみがご存じです」
教皇は12月28日の一般謁見で、最晩年の前教皇のために特別に祈るよう呼びかけ、世界中のカトリック信者がこれに応えるように祈りをささげていた。また、一般謁見後には、前教皇が2013年の退位以来住んでいたバチカン(教皇庁)のマーテル・エクレジエ修道院を訪れ、「重篤」な病状とされた前教皇を直接見舞っていた。
バチカン・ニュース(日本語版)によると、前教皇の遺体は死後、同修道院に安置され、1日午後には、ごく親しい関係者らが弔問に訪れた。
その後、遺体は2日朝にサンピエトロ大聖堂に移され、同日午前9時から一般弔問が始まった。一般弔問は4日午後7時まで行われ、葬儀は5日午前9時半からサンピエトロ広場で、教皇の司式により行われる。