前ローマ教皇の名誉教皇ベネディクト16世(93)が「非常に衰弱」した状態にあると、ドイツ紙「パッサウ・ノイエ・プレッセ」(PNP、ドイツ語)が3日、伝えた。
伝記を執筆している作家のペーター・シーウォルド氏が1日、バチカンのベネディクト16世の元を訪問。PNP紙は同氏の話として、ベネディクト16世が帯状疱疹(ほうしん)を患い、「非常に衰弱」していると伝えた。6月に入院中の兄ゲオルグ・ラツィンガー氏を見舞うため、出身地のドイツ・バイエルン州を訪問。その後、体調を崩したという。ラツィンガー氏は7月1日に亡くなっている。
シーウォルド氏は1日、ベネディクト16世の住居があるバチカンのマーテル・エクレジエ修道院を訪問し、伝記の原稿を手渡した。シーウォルド氏によると、ベネディクト16世は病気ではあるものの、楽観的で、体調が回復すれば再び執筆を再開するかもしれないと話したという。しかし声は「ほとんど聞こえない」ほど小さかったという。
PNP紙によると、ベネディクト16世は自身の埋葬地として、バチカンのサンピエトロ大聖堂の地下墓地にある、先々代の教皇ヨハネ・パウロ2世が埋葬されていた墓所を選んだという。ヨハネ・パウロ2世の遺体は2011年、列福に伴い、地下墓地から大聖堂内の礼拝堂に移され、再埋葬されている。
続報:ロイター通信によると、バチカンは3日、ベネディクト16世の健康状態について、痛みが伴うものの「特に心配される状態ではない」とする声明を発表した。