前ローマ教皇である名誉教皇ベネディクト16世(本名:ヨーゼフ・アロイス・ラッツィンガー=Joseph Alois Ratzinger)が、現地時間31日午前9時34分(日本時間同日午後5時34分)、バチカン(ローマ教皇庁)のマーテル・エクレジエ修道院で死去した。95歳だった。バチカン・ニュース(日本語版)が同日、バチカン広報局の発表として伝えた。
1927年、ドイツ南部バイエルン州生まれ。51年、司祭叙階。ドイツの複数の大学で神学を教える。62年、35歳でケルン大司教ヨセフ・フリングスに同行して第2バチカン公会議顧問に。77年、司教叙階、ミュンヘン・フライジング大司教就任、枢機卿就任。81年、教皇庁教理省長官就任。2002年、主席枢機卿就任。
前々代の教皇ヨハネ・パウロ2世の死去に伴い、2005年4月に78歳で第265代教皇に就任。ドイツ人が教皇に選出されるのは、ビクトル2世(在位1055~57年)以来950年ぶりだった。85歳だった13年2月28日、高齢を理由に存命中の教皇として約600年ぶりに退任。以来、マーテル・エクレジエ修道院で生活をしていた。
28日には、教皇フランシスコが、「重篤」な病状にあるとして特別な祈りを呼びかけていた。
遺体は、2日朝からサンピエトロ大聖堂に安置され、信者らの弔問を受け付ける。葬儀は、5日午前9時半からサンピエトロ広場で、教皇フランシスコの司式で執り行われる。