英政府は16日、ロシアによるウクライナ侵攻に関連する制裁対象に、ロシア正教会トップのモスクワ総主教キリルを追加した。「ウクライナにおけるロシアの軍事侵略を著しく支持した」ことが理由だという。
この他、制裁対象には、ウクライナの子どもたちの強制的な移送と養子縁組に関与した疑いがあるとして、ロシア子どもの権利大統領長官のマリア・ルボワ・ベロワ氏も追加された。ルボワ・ベロワ氏は、ウクライナ東部のルハンスク、ドネツク両州から、弱い立場にある子どもたち2千人を暴力的に連れ去ることを可能にしたとされ、「ロシアでの強制養子縁組を促進するための新しい政策を画策」したとして非難されている。英政府はこうした行為を「野蛮」だと非難している。
また、ロシア軍の第64自動車化狙撃旅団の大佐4人も、制裁対象に加えられた。英政府は、同旅団について「(ウクライナの)ブチャで民間人を殺害し、強姦(ごうかん)し、拷問したことが知られている」としている。
リズ・トラス英外相は、「われわれは今日、子どもの強制的な移送や養子縁組など、ウクライナに計り知れない苦しみをもたらしているプーチン氏による戦争の協力者と実行者を標的にしています」とコメント。「ウクライナが勝利するまで、われわれは、自由と民主主義を守り、プーチン氏に圧力をかけ続けるでしょう。プーチン氏の協力者たちは、戦争犯罪が疑われることに目をつぶり、彼の血なまぐさい攻撃を支持することを選び続けています」と語った。