ナイジェリア西部ナイジャ州で17日、誘拐されたカトリック司祭、ジョン・グバカン・ヤジ神父(38)が遺体で発見された。ヤジ神父は2日前、ミサを終えて帰る途中、兄弟と共に武装した男らに誘拐された。
バチカン(ローマ教皇庁)のフィデス通信(英語)によると、ヤジ神父は同州グルにあるミンナ教区所属の聖アントニー教会を担任していた。同州のランバタからラパイを結ぶ道路沿いのトゥファ村近くで15日午後9時ごろ、一緒にいた兄弟と共に武装した男らに襲われ誘拐された。
男らは16日、ミンナ教区に身代金として3千万ナイラ(約815万円)を要求。その後、金額を500万ナイラ(約135万円)まで下げていた。しかし17日になって、誘拐現場近くでヤジ神父の遺体が見つかり、ヤジ神父が乗っていた車も茂みの中から発見された。ヤジ神父は鉈(なた)で切り付けられ、身元の確認が困難なほどだったという。
ナイジェリアのエマニュエル・アンヤンユー神父は、カトリック慈善団体「エイド・トゥー・ザ・チャーチ・イン・ニード」(ACN、英語)に対し、ヤジ神父について次のように語った。
「ヤジ神父は、叙階されてわずか4年しかたっておらず、非常に紳士で謙遜な司祭であり、神の奉仕と神の民のために献身していました。ミンナ教区の司教、司祭、修道士、また教区全体が、兄弟であり、友であり、司祭であるヤジ神父の死を悲しんでいます」
ナイジェリアでは聖職者の誘拐が相次いでいる。南部のポートハーコート教区では教区司祭のマイケル・ムバリ神父が誘拐されたが、1週間後の15日に解放されたばかりだった。また、昨年末には同じく南部のオウェリ教区でモージズ・チクウェ補佐主教が運転手と共に誘拐された。幸いチクウェ補佐主教も誘拐されてから5日後の今月1日に解放されている。