イスラム過激派の武装グループが22日、ナイジェリア北東部ボルノ州で男性5人を処刑する映像を公開した。5人のうち3人はキリスト教徒で、2人はイスラム教徒だとされている。武装グループは映像で、処刑はキリスト教改宗者に対する警告だとしている。迫害関連情報サイト「モーニング・スター・ニュース」(英語)が23日、伝えた。
同サイトによると、映像は約35秒で、ユーチューブ上で公開されたが、現在は削除されている。映像のキャプチャー画像では、拘束された男性5人が赤色の布で目隠しをされ、膝を突いて座り、その後ろに黒いマスクを付けた戦闘員が銃を構えて立っているのが確認できる。
戦闘員の一人が現地語のハウサ語で、「これは不信仰者に利用され、イスラム教からキリスト教に改宗するすべての人に対するメッセージだ」「われわれの警告を聞かなければ、この5人の運命はあなたの運命だ」などと脅迫。5人はその後すぐに銃殺された。
ボルノ州在住者が同サイトに語ったところによると、処刑された5人のうち、キリスト教徒の3人は、イシャク・ヤクブさん、ルカ・フィリバスさん、ジョセフ・プリンスさん。ヤクブさんとフィリバスさんは共に、ブレザレン教会の会員で支援団体のワーカーだった。一方、プリンスさんは、同州の州都マイドゥグリにあるリディームド・キリスト教会の会員で、民間軍人会社のスタッフだったという。
6月21日には、3人が登場する別の映像が公開されており、3人は自身の名前と所属を語るとともに、それぞれの所属組織に解放のために働き掛けるよう求めていた。この映像によると、3人は6月1日~8日のそれぞれ別の日に拘束された。
ヤクブさんとフィリバスさんが所属する支援団体はそれぞれ、2人の死を確認するとともに、犯行を非難する声明を発表した。
処刑された残りの2人はイスラム教徒とみられ、ムハマド・ブハリ大統領が発表した声明によると、1人は国の緊急事態管理局の職員で、もう1人は会社員。ブハリ氏は遺族に哀悼の意を示すとともに、同国北東部からイスラム過激派組織「ボコ・ハラム」を一掃すると強調した。
今回の犯行は、ボコ・ハラムから2016年に分裂した過激派組織「イスラム国西アフリカ州」(ISWAP)によるとみられている。