ナイジェリア中部カドゥナ州で3日、キリスト教徒の村がフラニ族の武装グループに襲われ、3歳の少女を含む10人がなたで切り付けられるなどして死亡した。
英キリスト教団体「世界キリスト教連帯」(CSW、英語)によると、襲撃を受けたのは同州中南部カジュルにあるトゥダンアグワル村。襲撃は朝5時ごろあり、エリザベス・サマイラちゃん(3)は、頭をなたで数カ所切り付けられ、翌4日に搬送先の病院で亡くなった。この他、同じくなたで切り付けられるなどして9人が死亡。襲撃ではさらに、頭部を負傷したリタ・フライデーちゃん(8)を含む複数人の負傷者が出、7人が行方不明となっている。
同州南部では、イスラム教徒主体の遊牧民であるフラニ族が、キリスト教徒の村々を相次いで襲撃している。ナイジェリアのアダラ開発協会(ADA)によると、同州では今年1月1日から5月22日までの間に、63件の襲撃事件または誘拐事件が発生し、107人が死亡、49人が負傷、66人以上の男女が身代金目的で誘拐された。また襲撃により、家屋111棟が全焼し、32の村が完全に破壊された。これらの襲撃による避難者は約2万人に上る。
ナイジェリアでは3月末から新型コロナウイルスの感染防止のためロックダウン(都市封鎖)措置が取られているが、こうした襲撃はそれにかかわらず発生しているという。