ナイジェリア中部の複数の村が武装勢力に襲撃され、キリスト教徒少なくとも32人が死亡した。村は新型コロナウイルスの感染拡大防止のため封鎖中で、自宅にとどまっていた人々を狙った犯行とみられている。
キリスト教迫害監視団体「英国オープン・ドアーズ」(英語)によると、襲撃は首都アブジャ北部の2州で発生した。犠牲者の中には、妊婦もいたという。
中東部プラトー州アンチャでは1日、フラニ族の過激派が夜襲を行い、3人が死亡、数人が重傷を負った。襲撃を受けたのはキリスト教徒の村で、過激派は少なくとも17軒の民家に放火し、多くの人が住む家を失った。
また3月30日には、プラトー州とカドゥナ州で複数の村が襲撃され、少なくともキリスト教徒10人が殺害された。これらの襲撃は、新型コロナウイルスのパンデミックにより、多くの村人が自宅にとどまっている中で起きた。犠牲者は1週間で、少なくとも32人に上った。
「今回の襲撃は、村の封鎖中に自宅にいた無防備な住民に対する、時期を狙った残虐な犯行です」と、オープン・ドアーズの地域広報担当者ジョー・ニューハウス氏は語った。
「感染拡大防止のための封鎖中であっても、政府はナイジェリア人全員の安全を確保し、このような襲撃が野放しにされている状態に対処する必要があります」
「新型コロナウイルスのパンデミックのため自宅にとどまるのであれば、国民には、このような悲惨な襲撃から守られるという安心感が必要です」
アンチャの指導者であるスナイ・アブドゥル氏は、襲撃者は車だけでなく、家屋も無作為に焼いたと語った。「非常に多く(の襲撃者)がいて、抵抗できる者は一人もいませんでした」
アンチャの別の指導者であるヌフ・ヌカリ氏は、治安当局に対する怒りをあらわにし、「(流血は)防げたはずだ」と声を震わせた。「村人がこのような悪事を受けざるを得ないようなことをしたのでしょうか」とヌカリ氏。「村人たちは懸命に治安当局に(こうした襲撃を)警戒するよう求めましたが、当局は腰を上げませんでした」と訴えた。