新型コロナウイルスによる緊急事態宣言が13日、首都圏の4都県に加え、栃木、愛知、岐阜、京都、大阪、兵庫、福岡の7府県にも拡大したことを受け、新たな対象地域を管轄するカトリック教区が相次いで対応方針を発表した。
愛知県と岐阜県を管轄地域に含む名古屋教区は14日、一律に公開ミサを中止することはしないと発表。これまでの感染予防対策の徹底を前提に、重点的に実行すべき対応として、▽間隔を空けて座る、▽効果的に換気する、▽聖歌は全員で歌わない、▽唱える部分についても全員で唱えず、先唱者のみとすることなどを挙げ、これらの対応が難しいと判断した場合はミサを中止するよう要請した。
大阪府と兵庫県を管轄地域に含む大阪大司教区は13日、対応方針を発表。前田万葉大司教は、「政府や自治体が求める対策を徹底することが可能である限り、最大限の注意を払いつつミサに集う機会を信者の皆さんに提供したい」と述べ、一律に公開ミサを中止することはせず、感染予防対策の徹底を求めた。一方、ミサ以外の集まりについては、緊急事態宣言が発令されている地域では原則として中止または延期するよう要請。どうしても必要な場合は、少人数に限ること、飲食をしないことなどの感染防止対策を徹底して行うよう求めた。
福岡県と佐賀県、熊本県を管轄する福岡教区は13日、緊急事態宣言が解消されるまでは福岡県内での公開ミサを中止すると発表。14日には熊本県独自の緊急事態宣言が発令されたことを受け、同県内でも公開ミサを中止すると発表し、残る佐賀県についても感染状況は厳しいとして各教会に慎重な対応を求めた。
京都府、滋賀県、奈良県、三重県を管轄する京都教区では、首都圏の緊急事態宣言発令と管轄地域の新規感染者数の急増を受け、11日に対応方針を発表。すべての管轄地域を対象に、警戒レベルや各自治体の対応に応じて随時、公開ミサを休止するよう要請した。また、人の流れを減らすため、ミサ以外の対面する活動は控え、可能な限り電話やメール、テレビ会議システムなどを活用するよう求めた。
埼玉県、栃木県、群馬県、茨城県を管轄するさいたま教区では、埼玉県に緊急事態宣言が発令された8日に対応方針を発表。埼玉県だけでなくすべての管轄地域を対象に、緊急事態宣言が解除されるまで公開ミサを休止し、教会活動も最低限不可欠な会議を除いて休止するとした。山野内倫昭司教は、「すべての人のいのちを守るために働くことは教会に集う私たちが神から託された大切な務めです。長く続くこの試練の中で、祈りと共に、力を合わせることができるよう、ご一緒に努めたいと思います」とコメントした。