新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京都と埼玉、千葉、神奈川の3県を対象に、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が再発令されることを受け、カトリック東京大司教区は7日、教区のウェブサイトで対応方針を発表した。東京大司教区は、東京都と千葉県のカトリック教会を管轄しており、教区全体が緊急事態宣言の対象地域に含まれる。
発表された対応方針は、昨年12月初めに示していた待降節(アドベント)における対応方針に若干の変更を加えたもの。公開ミサを実施するには、①聖堂内で前後左右最低1メートルの距離を保ち、②十分な換気を行うことが必須条件で、これらができない場合は実施不可としている。
また、「密」の回避とマスク着用の徹底を求め、聖歌の歌唱など声を出すことは極力自粛するよう要請。年齢制限は設けないものの、75歳以上の人や基礎疾患のある人には、可能な限り自宅で祈るよう求めている。その上で、主日のミサの義務については教区のすべての人を対象に当面の間免除するとしている。
教区内ではこれまで、信徒の中に新型コロナウイルスに感染したり、亡くなったりした人はいるが、今のところ教会活動に起因する感染は報告されていないという。しかし、感染拡大のメカニズムはまだ完全には解明されていないとし、「細心の注意を持って行動することは当然」と指摘。今回の緊急事態宣言では、集会などの禁止は盛り込まれていないが、各小教区レベルで感染対策をあらためて見直し、徹底するよう求めた。
菊地功東京大司教は対応方針の中で、共に集い、歌い、祈ることは、信仰生活において重要だとしつつも、「同時に、自分だけではなく、神から与えられた命を生きるすべての人を守ることも、私たちにとって重要な責務です」と説明。「困難の最中にあっても、主イエスの『世の終わりまで共にいる』との約束に信頼し、主を中心とした一つの体における霊的な絆を再確認いたしましょう」と呼び掛けた。また、毎週土曜日に「週刊大司教」として配信している主日メッセージの活用などを促した。
1都3県を対象に再発令される「緊急事態宣言」の期間は、1月8日(金)から2月7日(日)までの1カ月間。感染リスクが高いとされる飲食店のほか、一定の規模以上の映画館、スポーツクラブといった運動・遊興施設を対象に、午後8時までの営業時間短縮を要請する。また住民に対しては、午後8時以降の不要不急の外出自粛も要請し、事業者に対しては、出勤者の7割削減を目標にテレワークの推進を求める。