2018年、本紙は国内外のキリスト教界のニュースや寄稿・コラムを1300本以上配信してきた。その中から、アクセス数に基づいた10大ニュース(国際編)を発表する。(国内編はこちら)
【10位】インドネシアの教会3カ所でテロ、7人死亡 子ども含む一家6人が自爆
インドネシア第2の都市スラバヤで5月、キリスト教の教会3カ所を狙った自爆テロが発生した。日曜日の礼拝やミサのために集まった人々を狙った犯行とみられ、少なくとも7人が死亡、46人が負傷した。実行犯が、8歳から17歳までの子ども4人と両親の一家6人であったことも衝撃を与えた。一家は、過激派組織「イスラム国」(IS)に連帯を示す地元組織に属していたとされている。
【9位】動揺するなかれ!「日本の福音派」クリスチャンが押さえておくべき「米国の福音派」
ドナルド・トランプ米大統領をめぐる日本国内の報道では、福音派がトランプ政権の支持基盤のように報じられている。そうした中、日本の福音派の牧師の中には、米国の福音派をどう捉えたらよいのか、困惑している人が多いようだ。そうした状況を受け、米国福音派研究の第一人者である青木保憲牧師が、米国の福音派について解説し、2つの対処法を提案した。
世界的伝道者として知られるビリー・グラハム氏が2月、米ノースカロライナ州の自宅で亡くなった。福音派を代表する大衆伝道者として、60年以上にわたって日本を含む世界各地を巡り、世界185の国と地域で2億1500万人近くに福音を伝えてきた。米連邦議会議事堂で民間人としては4人目となる追悼式が行われ(記事)、3月に同州で行われた葬儀には、トランプ大統領をはじめ米国内外から約2千人が参列した(記事)。5月には、妻ルースさんとの思い出や遺された家族に対する勧告などがつづられた遺言が公開された(記事)。
【7位】米メガチャーチの30歳牧師、うつ病で自殺 教会が声明「彼は今後も人々を導くでしょう」
米カリフォルニア州にあるインランドヒルズ教会(礼拝出席者数約2500人)のアンドリュー・ストークレイン主任牧師が8月、教会内で自殺を試み、病院に搬送されたが翌日に亡くなった。ストークレイン氏には妻のカイヤさんと幼い3人の息子がいたが、うつ病で苦しんでいたとされている。同教会は1991年に、ストークレイン氏の父親であるデイビッド・ストークレイン氏(故人)が創設した。
【6位】タイ洞窟の少年ら救出、1人は教会育ちの14歳 言語堪能で優秀だが国籍の課題も
タイ北部のタムルアン洞窟に6月末、地元サッカーチームの少年12人とコーチ1人が閉じ込められてしまった。雨季による大雨で洞窟が浸水したためで、生存が絶望視されていたが、7月頭に英国人ダイバーが発見。世界中のメディアが報じ関心が集まる中、全員が無事救出された。この救出活動で重要な役割を果たしたのが、教会で育てられた14歳の少年だった。13人の中で唯一英語を話せたことから、英国人ダイバーとも会話することができた。一方、少年はミャンマー出身でタイ国籍を持っておらず、キリスト教団体から支援を受けて教会で生活していた。タイには無国籍者が48万人余りいるとされている。
【5位】牧師の自殺と教会の沈黙(1)悩ましい統計、沈黙する教会
米国で自殺する牧師が増えているとする、米クリスチャンポストの特集記事を3回に分けて報じた。信仰上、自殺を認めていなかった牧師が自ら命を絶ったり、自殺予防の専門家であった牧師がうつ病を患い自殺したりするケースもあった。記事は、牧師の自殺について公に話し合うことを避ける傾向が教会にあることや、牧師は仕事関連のストレスが最も大きい職業の一つであること、牧師の自殺が教会にどのような影響を与えるか、などを伝えている。
【4位】「宣教師」の米国人男性、インド洋の孤島「北センチネル島」で殺害される
「宣教師」とされる27歳の米国人男性が11月、インド洋のベンガル湾南部にある北センチネル島で殺害された。北センチネル島には、史上最後の新石器時代の部族と考えられている先住民がおり、先住民保護のため島への接近は禁じられていた。
【3位】世界の7割「神を信じる」 日本は無神論者の割合で世界2位 ギャラップ国際調査
世界68カ国6万6千人を対象に行ったギャラップ・インターナショナルの調査によると、世界人口の71%が神を信じている。一方、日本は人口の29%が神を信じておらず、中国(67%)に次いで無神論者が多い国となった。この他、世界全体では人口の62%が自らを宗教的だと答えており、74%は人が魂を持っていると信じている。また、56%が天国、54%が死後の世界、49%が地獄の存在を信じている。
【2位】イエス・キリストは縮れ毛で面長だった? イスラエルの教会跡で古代の壁画発見
イスラエル南部のネゲブ砂漠にあるシブタ遺跡で、イエス・キリストの顔を描いた古代の壁画が見つかった。描かれていたイエスは、長髪でひげをはやした西洋的なイメージの人物とは異なり、縮れ毛で面長だったという。イスラエルはキリスト教誕生の地でありながら、これまでイエス・キリストの外見を描いたものはほとんど見つかっていない。絵が描かれた正確な時期は不明だが、シブタ遺跡は2世紀ごろのビザンツ時代の農村跡だと考えられている。
【1位】米最高裁で勝訴のケーキ職人、再び法廷へ 今度は性転換祝うケーキ拒否で
同性カップルのウエディングケーキ作りを拒否したことをめぐる訴訟で、米連邦最高裁は6月、7対2でケーキ職人の男性(コロラド州在住)を擁護する判決を下した。判決では、同州公民権委員会が、キリスト教徒である男性の宗教的信条を不当に扱ったとし、同性愛者のケーキ作りを拒否したことを「差別」とした同州の判断を破棄した(記事)。しかし同州はその数週間後、今度は男性が性転換を祝うケーキ作りを拒否したことを「差別」と判断した。そのため、男性は再び法廷に立つことになった。