米カリフォルニア州南部の都市チノにあるメガチャーチ、インランドヒルズ教会(礼拝出席者数約2500人)のアンドリュー・ストークレイン主任牧師(30)が8月25日、亡くなった。24日午前に自殺を試み、病院に搬送されたが、25日に息を引き取った。うつ病で苦しんでいたとされている。
同教会は27日、フェイスブックに声明(英語)を投稿。次のようにつづった。
「アンドリュー・ストークレイン主任牧師がうつ病や不安との壮絶な闘いの末、土曜日の晩に召天したことを知り、インランドヒルズ教会は重い心で悲嘆に暮れています。これは私たちが祈り、望んだ結果ではありませんでした。ですから私たちは今、主にある家族として悲しんでいます。
インランドヒルズ教会を導く上で、アンドリュー牧師は、心温まる知恵と、神への情熱と、教えをもって多くの人に触れ、人の心を常にイエスに向けました。アンドリュー牧師は愛情深い夫であり、父親、また息子であり、友人でした。イエス・キリストとの関係が成長するよう、彼は今後も人々を導くでしょう」
ストークレイン氏は24日午前、教会内で自殺を試み、病院へ搬送され、生命維持装置につながれる事態に陥った。教会は25日、その事実をフェイスブックで公表し、祈りを呼び掛けたが、訃報が届いたのはその直後だった。
同教会は1991年、ストークレイン氏の父親であるデイビッド・ストークレイン氏(故人)が創設した。デイビッド氏は2015年、白血病のため55歳で亡くなった。息子のストークレイン氏には妻のカイヤさんと、まだ幼い3人の息子がいた。
クリスチャンポストは27日、同教会に問い合わせたが、速やかな返答は得られなかった。
ストークレイン氏がどれほどの期間、うつ病と闘っていたかは分からない。しかし、父親の一周忌に書いたブログの記事を見ると、父親を失った直後、ストークレイン氏の生活に厳しさが増したことが分かる。
「あなた(父のデイビッド氏)がいない人生は、思っていたよりも厳しいものです。私は日ごとにあなたを懐かしんでいます。私はあなたの牧師室で人々と面会し、あなたの蔵書を参照して、毎週、説教の準備をしています。あなたの講壇に立って、イエスの恵みと真理を語ります。夫として、父として、牧師やリーダーまたイエスの弟子としてのあなたの模範が、文字通り私を取り囲んでいます。私はそのことを、とても感謝しています」
二周忌を迎えた昨年10月には、胸にできた腫瘍の切除のために入院。2度の手術を受けたことが、インスタグラムへの投稿(英語)で分かる。
「今週、二度の手術を受けました。胸からソフトボール大の腫瘍を切除するためです。良い結果が出て回復することを願い、祈ります。皆さんの愛と励ましを感謝します。私に付き添い、世話をしてくれた美しい妻にも深く感謝」とつづっている。
今年に入ってからは、約4カ月間の「夏季休暇」を取り、復帰最初の日曜日であった8月12日には妻のカイヤさんと共に会衆の前に立った。「自分は一緒にいて楽しいような人間」ではなかったが、そんな自身と生活を共にしてくれたとして、妻のカイヤさんを称賛していた。
カイヤさんは、過去7年間の結婚生活でストークレイン氏の父親の死や、ストークレイン氏の健康問題など、予期せぬ問題に直面したことを明かし、次のように述べていた。
「私たちは、これからも長い道のりを乗り越えなければなりません。でも、私たちはその道をすでに進み始めています。私たちはこれからも闘い続け、神が素晴らしい計画を備えていることを信じ続けます。それは私たち一家のための素晴らしい計画であり、この教会のための素晴らしい計画であり、この教会の牧師のための素晴らしい計画です。
皆さん、夫はこの場所(教会)をとても愛しているのです。夫は立ち止まることを望みませんでした。前進し、前進し、前に進み続けました。もしかしたら命を落とすことになるかもしれません。それほど夫はこの教会を愛しているのです。
この休暇の間、私は夫に何度も尋ねました。あなたは本当に大丈夫なのと。牧師を辞めてもいいのよ。自分がなりたいと思う人間でいれば、それでいいの。どこへでも行って、好きな所に住むこともできる。テキサスに行って、大きな家を買ってもいいんだからと」
しかし、ストークレイン氏が自分の召されていることをやり続けると言い張ったため、カイヤさんはやむなく同意したという。
インランドヒルズ教会はストークレイン氏の死を告げる声明の中で、心に痛みを抱える人々は助けを求めるべきだと勧めている。
「この悲劇の中で心に痛みを抱える方に、助けを求めることをお勧めします。あなたや他の誰かが苦しんでいるのなら、自殺予防ホットラインが助けになるでしょう。この教会が地域社会の希望の光となりますように。傷つく方々を助け、アンドリュー牧師が懸命に仕えた神に栄光を帰すことができますように。アンドリュー、私たちはあなたを愛しています。いつまでも」