こんな時にどうするQ&A 聖書的原則と私の体験(15)
自殺しそうな人に、どのように接するべきか
自殺の原因としては、いろいろなことが考えられる。従って、私たちはまず、自殺しそうな人との日頃の会話や交わり、接触などを通して、その人がどのような問題を抱えているかを、できる限り把握することが必要である。ここでは、自殺の主な原因や問題と思われる3つのことを取り上げ、それぞれの原因や問題に対するキリスト者の接し方について述べる。
(イ)大きな心の悩みや苦しみを抱えている人への対応
大きな心の悩みや苦しみなどの、内面的な問題を持っていると思われる人に対しては、とにかくできるだけその人のそばに居てあげること、そして、その人の抱えている心の悩みや苦しみにひたすら耳を傾け、聴いてあげることがまず必要である。
次に、大きな心の悩みや苦しみなどの故に、命を断ってしまいたいとの思いは、ヨハネ8:24に「それでわたしは、あなたがたが自分の罪の中で死ぬと、あなたがたに言ったのです。もしあなたがたが、わたしのことを信じなければ、あなたがたは自分の罪の中で死ぬのです」とある通り、その人の心の奥に潜む、罪の問題から生ずることが多いことをわきまえることが肝要である。
そして、その人の罪の部分に光が当てられ、その罪が赦(ゆる)されるよう福音を語ること、また、その人のためにとりなしの祈りを続けることが必要である。ヤコブ5:15に「信仰による祈りは、病む人を回復させます。主はその人を立たせてくださいます。また、もしその人が罪を犯していたなら、その罪は赦されます」とあるからである。
(ロ)自己存在感が低い人、将来への希望を持てない人、先が見えず不安になっている人への対応
自分の命や生きることなど、自己の存在や将来に対して潜在的な不安を持っていると思われる人に対しては、生きる希望や喜び、目的を伝えること、また、その人が神の目には高価で尊いことなどを伝え、生き続ける勇気や力を与えることが大切である。そのためには、福音を伝えること、そして何よりもイエス・キリストの愛を伝えることが大切である。
(ハ)外面的な苦しみや肉体的苦しみ、物理的な苦しみが大きい人への対応
内面的な悩みや苦しみや不安というより、外部の人や周囲の環境などによって与えられる種々の外面的な苦しみ、また病気などによる肉体的苦しみ、さらに経済的問題や過剰労働による疲れなどの物理的な苦しみによって落ち込んでいる人や、弱っている人に対しては、可能な範囲で具体的にできる助けをしてあげること、また祈ること、さらにキリストに重荷を委ねるよう導くことが大切である。マタイ11:28に「すべて、疲れた人、重荷を負っている人は、わたしのところに来なさい。わたしがあなたがたを休ませてあげます」とあるからである。
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(参考並びに引用資料)
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[5]唄野隆(1995年)『主にあって働くということ』いのちのことば社
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・ヘンリー・シーセン(1961年)『組織神学』島田福安訳、聖書図書刊行会
・ジョージ・S・ヘンドリー(1996年)『聖霊論』一麦出版社
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