今年1月から12月まで、本紙に掲載した国際記事で多くの方に読まれたランキングは以下の通り。国内記事は20位〜8位、7位〜1位の2回に分けて29日と30日に掲載済み。国際記事は10位までの集計で、12月31日現在のアクセス数に基づく。
第10位は「『信仰のみ』で救われるのか 米神学者ジョン・パイパー氏の答え」(10月13日掲載)。米国のプロテスタント信者の約半数が世論調査で「信仰によってのみ救われる」のではなく、「救われるには信仰と善行の両方が必要」と回答したことを受け、米国の著名な改革バプテスト派の神学者であるパイパー氏が応じたもの。
世論調査は、宗教改革500年を迎えたのに合わせて、米国のピュー研究所が実施。宗教改革者たちが強調した「救いは信仰にのみによる」という教義に対する現在の認識などを調査した(関連記事:「救われるには信仰と善行の両方が必要」 米プロテスタントの半数が同意)。パイパー氏は有名な5つの「ソラ(sola)」について力説しつつ、ルターの次の言葉を紹介するなどした。
信仰というのは、生きていて、常に動いているものです。信仰が働かなくなることはありえません。私たちは行いによっては救われません。しかし、行いがないとしたら、その信仰には何か欠陥があるのです。
第9位は「神が赦されない罪はあるのか ビリー・グラハム氏が回答」(5月22日掲載)。ビリー・グラハム伝道協会(BGEA)の質問コーナーで、当時98歳のグラハム氏が次の質問に答えたもの。
神はどれくらい大きな罪までなら赦(ゆる)してくださるのでしょうか? 私は、自分が間違いなく、神が赦してくださる一線を越えたと恐れています。私は恐ろしいことを幾つもしてきて、多くの人たちを傷つけたからです。
第8位は「聖書66巻の中で最も人気のある書巻トップ5 英国聖書協会が調査」(1月31日掲載)。
第7位は「チョー・ヨンギ牧師、背任罪で懲役2年6月、執行猶予4年確定 最高裁が上告棄却」(5月19日掲載)。汝矣島(ヨイド)純福音教会の趙鏞基(チョー・ヨンギ)元老牧師が、長男の趙希竣(チョー・ヒジュン)前国民日報会長が所有していたサービス会社の株式を、適正価格より高値で買い入れるよう指示し、教会に損害を与えたとして、背任などの罪に問われた事件。最高裁がチョー牧師側の上告を棄却し、懲役2年6月、執行猶予4年を言い渡していた2審判決が確定した。
第6位は「アンゲラ・メルケル、ドイツ首相に4選確実 旧東独の牧師の娘としてどんなキリスト教信仰を持っているか」(9月25日掲載)。牧師・神学者の父を持つメルケル首相は、東西ドイツが統一される90年、36歳まで共産主義下の東ドイツで暮らした。大学では物理学を専攻し、学生結婚するも離婚を経験。記事では、メルケル首相の経歴と共にその信仰について紹介している。以下は2015年に、南ドイツ新聞のインタビューで自身の信仰について語った言葉。
私はルーテル派の牧師である父親のもと、プロテスタント信仰の中で育てられ、一時は神の存在を疑うこともあったが、いつも信仰に立ち返ってきた。キリスト教信仰は今も私の人生の中心的な役割を担っている。私だけでなく多くの人にとって信仰と宗教は、人間としての聖なる尊厳だ。私たちは神の被造物であり、そのことが私たちの政治的行動を導いている。神に対する私の信仰は、さまざまな政治的決断を助けてくれる。
第5位は「統一協会、大物ゴスペル歌手を看板に米NYで大規模イベント 現地で警戒の声」(7月13日掲載)。ニューヨーク在住の方からの情報提供を受けて配信できた記事。主催が統一協会であることを知り、出演を取りやめたゴスペル歌手や参加を断った現地教会もあった。しかし、グラミー賞受賞歌手が出演したこともあり、多くのクリスチャンが統一協会のイベントであることを知らずに参加してしまったという。
第4位は「宣教活動で出会った10代のカップル、結婚翌日に事故死」(8月22日掲載)。南アフリカで宣教活動をしていた際に出会った共に19歳の男女が、米カンザス州で結婚した翌日に交通事故で亡くなった。女性の母親は、この悲しい知らせを受け自身のフェイスブックに次のようにつづっている。
娘は深く、そして喜びを持って主なる神を愛していました。今、彼女はその主なる神と共にいるのです。そして、1日だけの夫でしたが、オースティン・ウェッソンを心から愛していました。今、彼女はその夫とも一緒にいるのです。2人がここにいないことは、とてもつらく悲しいことですが、2人とも神の御もとにいることを神に感謝します。両家族のことを皆さんの祈りの内に覚えてください。
第3位は「ジャスティン・ビーバー、SNSに「神を賛美するより楽しいことはない」(9月6日掲載)。教会や牧師との交流をさまざまな場面で公言しているジャスティン・ビーバー。インスタグラムに投稿した短いコメントを取り上げたものだが、信仰がはっきりと表された人気歌手のコメントということもあり、多くの関心を集めた。
第2位は「教会で26人死亡の悲劇『祈りは無駄なのか』 銃乱射受けネットで議論」(11月14日掲載)。米テキサス州サザーランドスプリングスで11月、日曜日の礼拝が行われていた教会に男が押し入り、銃を乱射、牧師の娘を含む26人が亡くなる事件が発生した。この悲劇的な事件の現場が教会であったことから、「クリスチャンの命を守ることができないのであれば、神に祈ることは無駄なのか」という議論が沸き起こった。米プロテスタント最大教派である南部バプテスト連盟の前議長や、ビリー・グラハム氏の娘などもこの議論に応答するなどした。
第1位は「教会放火され、銃殺映像も フィリピンで猛威振るう『イスラム国』系勢力」(6月27日)。2014年頃から猛威を振るった過激派組織「イスラム国」(IS)は今年、拠点としていたイラク第2の都市モスルと、「首都」としていたシリア北部の都市ラッカを相次いで失った。両国を中心に主に中東で勢力を伸ばしていたISだが、フィリピン南部ミンダナオ島では5月、ISに忠誠を誓う複数のイスラム武装勢力が一都市を占拠する事態に発展した。
カトリックが多数派のフィリピンで、ミンダナオ島は人口の約4分の1をイスラム教徒が占める。分離独立を求める複数のイスラム武装勢力が政府軍と衝突してきた地域でもあり、ISのイデオロギーが根付きやすい土壌があったとされている。フィリピン政府は10月に掃討作戦の終了を宣言したが、テロ撲滅を目的に戒厳令は2018年末まで1年延長することが決まっている。