「新共同訳」以来31年ぶりとなる、カトリックとプロテスタント共同による新しい日本語訳聖書「聖書協会共同訳」を今月刊行した日本聖書協会主催のクリスマス礼拝が6日、日本基督教団銀座教会(東京都中央区)で行われ、約300人が集った。同協会の大宮溥(ひろし)理事長はクリスマスメッセージで、「聖書の言葉は永遠に響き続ける命の言葉」と語り、「神の子イエス・キリストは、聖書が読まれるたびごとに生ける方としてわれわれの前に立ってくださる」と説いた。
大宮氏は「地上の人間が人の上に立とうと競り合っている中で、天にいました神の子キリストが人間となって地上に生まれ、人々の重荷、苦しみを自分の肩に担い、共に生きてくださった」と述べ、「一人一人が心開いて、このイエス・キリストを迎え、生きているのはもはや私ではない、キリストが私のうちに生きておられるのです、と言うときに、われわれは一人ではなくて、キリストの体としての教会の一つの枝、肢体となり、キリストを頭として隣人と共に、兄弟姉妹と共に、愛の交わりの共同体の中で共に生きている」と語った。
最後に、現代を生きる人々の心の中にイエス・キリストが生きておらず、眠り込んでいるように見える現状に触れ、「2018年のクリスマスを迎えるに当たり、あらためて眠れるイエス・キリストに心開いて近づき、主がわれらのうちで生きて共に歩んでくださるという出発を新たにしたい」と話した。
続いて第29回となる聖書事業功労者表彰式が行われ、教文館代表取締役会長で虎ノ門法律事務所代表の宮原守男氏が表彰された。宮原氏は20年にわたり、同協会を法務の面で支援したほか、教文館と同協会が相互協力を常として銀座の地でキリスト教文書活動を推し進めるに当たり、同協会のよき理解者として活動を支えてきた。
宮原氏は、クリスチャンとしての信仰生活を送る上で、教会のよき牧師に恵まれたことや、教文館の働きに関わるようになった経緯などについて話し、感謝の言葉を述べた。
最後のあいさつで同協会の渡部信総主事は、支援者への感謝を伝えるとともに、「聖書協会共同訳」にも触れ、「ぜひこの聖書をお読みくださって、2019年がもっと素晴らしい年になることを心から願ってやみません」と述べた。