教皇フランシスコは世界中のカトリック教会に対し、パリの事件以降も続くテロの脅威においてもなお、教会の門戸を開いておくよう呼び掛け、テロ組織が「私たちの生活のすべての面」、特に教会のホスピタリティーに対して影響を及ぼすことを許してはならないと述べた。
カトリック・ニュース・エージェンシーによると、教皇フランシスコはバチカンの一般謁見の際、「内に閉じこもる家庭のような不親切な教会は、福音の品位を落とし世界を衰えさせます」と語った。「教会に閉め切ったドアがあってはなりません! 全てを開放してください!」
78歳になる教皇はサン・ピエトロ広場に集まった聴衆に対し、「もし神の恵みの扉がいつも開かれているならば、私たちが神の恵みを運び出すことができるようにするために」教会の扉がいつも開かれていなければならないと述べた。
AFP通信によると教皇は、「世界には、ドアに鍵をかけるべきではない場所があります。ドアを閉め切ることが普通になってしまったところも多くあります。私たちは、生活の全ての面においてそのような考え方を適用しなければならないという、間違った思いに屈服してはなりません」と語った。
「教会がそうすることは、恐ろしいことになりかねません」と教皇は語り、私たちの牧者である主が羊を保護し、恐れなく出入りすることを許していると述べた。「イエスは私たちが出入りするドアです。なぜなら、神の羊の囲いは安全な安息所であって、牢獄ではないからです」と述べ、「教会は神の家の管理人であり、所有者ではありません!」と付け加えた。
一方、ベルギー政府は26日、それまでのテロ警戒レベルを最高の4から3に引き下げた。しかし、首相は首都ブリュッセルでパリのような致命的な襲撃のある可能性はまだ高いとみている。
ブリュッセル在住のサラ・アブデスラム容疑者(26)は、少なくとも合わせて130人が死亡したパリの連続テロ事件を起こした過激派組織「イスラム国」(IS)のメンバーの一員とみられており、いまだ警察の追跡から逃れている。
アブデスラム容疑者の兄はパリのカフェで自爆したが、移民の多いモーレンベークの一角でバーを経営する、末端の戦闘員であるアブデスラム容疑者は自爆しなかった。現在は治安部隊とISの双方が彼を追っているとみられる。容疑者ではない3番目の兄弟は、アブデスラム容疑者が殺害することを考え直したのかもしれないと語った。
パリの事件が起こる前日、レバノンのベイルートではシーア派のイスラム教徒を標的とした2件の自爆テロ事件が起こり、少なくとも43人が死亡、239人以上が負傷した。ISはこの事件について犯行を表明した。
約1週間後、西アフリカにあるマリの首都バマコで起きた「ラディソン・ブル・ホテル」襲撃事件では少なくとも27人が死亡した。この事件では自動小銃を持ったアルカイダ系組織の戦闘員が、100人以上を人質に取って立てこもった。