今年初旬にテロ攻撃を受けたフランスの風刺週刊紙「シャルリー・エブド」の漫画家が、13日にパリで起こった過激派組織「イスラム国」(IS)によるテロ事件に対して応答し、もし神が存在するなら、テロを憎むだろうと主張した。
漫画家のジョアン・スファー氏は先週末、銃撃を受けたり自爆テロに巻き込まれたりして129人が死亡した13日の悲劇を受け、イラスト12枚をインスタグラムに投稿した。ある1枚では、直接的に「死を愛する者たち」に宛て、もし神が存在するなら、「神はあなたを憎む」と書いた。
「そして天と同様地でも、あなたはすでに負けている」と述べた。
他の作品でスファー氏は、「テロリズムは敵ではありません。テロリズムは行動の方法です。私たちの敵を名指しする勇気を持つことなく『私たちは戦争状態だ』と繰り返すのは、意味がないことです。私たちの敵は、死を愛する人です。さまざまなものに見せかけて、彼らはいつもいるのです。歴史はすぐに彼らを忘れます。そしてパリは死にます」とつづった。
シャルリー・エブド紙は、宗教的信仰を侮蔑する手法で批判の的となっており、今年1月にはパリにある事務所が襲撃に遭い、12人が殺害された。イエメンのアルカイダの分派が犯行声明を出し、イスラム教預言者ムハンマドの描かれ方をイスラム教徒にとって攻撃的だと糾弾した。
シャルリー・エブド紙は、キリスト教徒や他の宗教の信者も侮蔑している。ロシアのドミトリー・ペスコフ大統領報道官は最近、10月31日にエジプトでロシア旅客機がISにより爆破された事件を風刺した漫画が、侮辱的なものだとして非難した。
ペスコフ報道官はその漫画が「罰当たり以外の何物でもない」とし、「これは民主主義や自己表現、それに関するものとは何の関連もありません」と語った。
フランクリン・グラハム牧師もまたこの風刺画を非難した。「この新聞の編集者は、自分たちは世俗主義で無神論の新聞だと言い、『罰当たりという語は私たちにとっては無意味だ』と言いました」とグラハム牧師。「彼らに知らせたいことがあります。それは世界の他の人たちにとっては意味があり、あの悲劇的な墜落事件によって人生が永遠に変わってしまった人たちにとっては意味があるのです。シャルリー・エブド紙は、イスラム教を侮蔑するという過ちを犯し、また今過ちを犯しています」
世界中から人々がフランスに同情の意を示し、ソーシャルメディア上ではハッシュタグ「#PrayForParis(パリのために祈ろう)」が用いられている。
政治的、宗教的指導者は、フランスの人々のために祈るよう呼び掛けている。
教皇フランシスコは事件を受けて、「私はフランスの人々と犠牲者のご家族に寄り添い、皆さんのために祈っています」と述べた。「私は動揺し、悲しんでいます。私は理解できません、このようなことは理解するのが難しいのです」
スファー氏は作品の中で、祈りは役に立たないと主張している。彼によると、祈りはさらに大きな問題である宗教の一部だという。
「私たちにはこれ以上宗教は要りません」とスファー氏はつづり、フランスはその在り方に反対する者に対し、譲らないなどと述べた。