ウクライナ南東部の都市ザポリージャにあるエクスプルアタツィオナヤ鉄鉱石坑で16日、地下840メートルの所に聖バルバラ聖堂が建てられた。ウクライナ宗教情報サービス(RISU)などの複数のメディアが伝えた。
地元メディアの情報として伝えられたところによると、この聖堂は、ウクライナ正教会(モスクワ総主教派)のベルジャンシク及びプリモルスク教区のエフレム主教によって成聖されたという。同教区は公式サイトで、成聖などの様子を写真や動画などで伝えるとともに、地下840メートルもの深さにある聖堂は「世界初」だと述べている。
正教会では、聖バルバラは、3世紀にフェニキアの都市であったヘリオポリスで殉教したとされ、鉱山労働者などの守護聖人とされている。
「信仰はどんな職業やどんな活動をする誰にとっても大切だ。しかし、とりわけ常に命懸けの仕事にとってはそうだ」と同教区。この鉄鉱石坑の従業員たちはこれを意識し、「常に鉱山労働者の守護聖人である聖バルバラの(とりなしを求める)祈りに頼ってきた」という。
なお、地下にある教会の例は、深いものでは他に、ルーマニア北東部タルグオクナの岩塩坑にある、本物の塩でできた大聖堂(ルーマニア正教会、深さ240メートル)、コロンビア中部ジパクイラの岩塩坑にある塩大聖堂(ローマ・カトリック教会、深さ180メートル)、ポーランド南部のビエリチカ岩塩坑にある聖キンガ聖堂(ローマ・カトリック教会、深さ101メートル)などがある。
■ 聖バルバラ聖堂の成聖式の様子