1月初旬に行われた米アイオワ州党員集会では、福音主義者からの得票率は14パーセントであったが、4日のネバダ州で行われた党員集会では43パーセントまで福音主義者からの得票率が上昇した。
これを受け5日、米CNNのインタビューで米家族研究評議会(FRC)のトニー・パーキンス氏は、「ロムニー議員は福音主義者らの心を捉えたとは思っていませんが、福音主義者らの間にロムニー議員を歓迎する雰囲気は高まって来たように思われます」と述べた。
アイオワ州ではリック・サントラム元上院議員(53)が33パーセントの福音主義者らから支持を得た一方、ロムニー議員は福音主義者以外の人々から38パーセントの支持を得た。ニューハンプシャー州予備選では、31パーセントの得票率を得、その大部分は福音主義者によるものであった。フロリダ州では46パーセントの得票率を得て圧勝している。
ネバダ州予備選でも、ロムニー議員に対する米福音主義者からの支持は厚く、米国では国家的にモルモン教徒の共和党議員であるロムニー議員を福音主義者らが受け入れつつある状況にある。
ニューハンプシャー州の福音主義者の有権者は21パーセント、ネバダ州では24パーセントとなっている。サウスカロライナ州予備選では、有権者に占める福音主義者の割合が最も高い64パーセントとなっている。
ネバダ州とニューハンプシャー州では、福音主義者と非福音主義者の間のロムニー議員への投票率の差は9パーセントでしかなかった。一方、アイオワ州では24パーセントもの差が生じ、フロリダ州、サウスカロライナ州ではそれぞれ両者の投票率の差は18パーセント、16パーセントとなった。
福音主義者の割合の少ない州の方が、モルモン教徒であるロムニー議員をより受け入れる傾向が見られている。フロリダ州メガチャーチのジョエル・ハンター氏も、フロリダ州予備選でロムニー議員が圧勝した要因のひとつとしてこの傾向を挙げ、「(フロリダ州のような)流動性が激しく、観光業が盛んで、多様な文化間のやり取りがある州では、よりそれぞれのひいきする団体の考えに固執しない傾向があります。いかなる独立教会であれ、他の宗教団体に開放的である必要があります。時に必ずしも自分の側ではないと思える団体の方がむしろ提携出来ると感じることもあるでしょう」と述べている。
パーキンス氏は5日、福音主義者と社会保守派の人たちは「完璧な候補者」を見つけようとしているわけではなく、大統領選挙に勝つことができる人物を共和党の中から選び出そうとしていると指摘した。ロムニー議員は経営者としての実績や、米国の中間層に焦点を当てた経済の再建政策で幅広い支持を得ており、米保守派草の根運動「ティーパーティー」を支持する人々からも多くの票を得ている。