アメリカ合衆国長老教会(PCUSA)は12日、性的指向や性自認に基づく差別を禁じる教会憲法の修正案が、正式に承認されたと発表した。
承認された第24-A号修正案は、PCUSAの憲法第2部「教会規定」(英語)の「多様性の中の一致」の項目にある差別禁止をうたう文章の中に、性自認と性的指向を含める内容。同項目には、「神は、人種、民族、年齢、性別、障がい、地理的条件、神学的信念にかかわらず、洗礼によって人々を結び付ける」と書かれており、この中に「性自認」と「性的指向」が新たに加えられることになる。
同修正案は、昨年開催された第226回総会で既に可決されていたが、正式に承認されるには、PCUSAの166中会の過半数である84中会以上から賛成を得る必要があった。長老派のLGBT擁護団体である「長老派カベナント・ネットワーク」(CNP)の集計(英語)によると、20日までに94中会が同修正案に賛成し、9中会が反対している。
PCUSAの発表(英語)によると、過半数の中会が賛成したことで、同修正案は7月4日に発効する。
一方、教職者の選考時に、LGBTの教会参加を認めるPCUSAの方針に対する見解を問う質問をするよう義務付ける第24-C号修正案は、20日時点で64中会が賛成、36中会が反対となっており、まだ過半数に達していない。
昨年の総会でも、第24-A号修正案は賛成389、反対24で可決されたのに対し、第24-C号修正案は賛成297、反対130と、より多くの反対票が投じられ、議論を呼んだ。
米国には長老派の教団は複数あり、その中でも最大規模のPCUSAは、自由神学的なリベラルな姿勢で知られる。2011年にはLGBTの教職者を、15年には結婚の定義を「一人の男性と一人の女性」から「二人、伝統的には一人の男性と一人の女性」に変更することを、それぞれ今回と同様に教会憲法を修正することで認めている。