自由な経済活動の実現のための所得税廃止、連邦準備制度理事会(FRB)、商務省の撤廃、福祉政策の削減の他、対外諸国との関係においても、米軍が戦争の引き金になるとして、日本を含めた対外諸国の駐在米軍の全面撤退を主張している。
米国内で著名な2人の福音主義指導者らが、米共和党指名候補争いで人気を集めているポール議員に対して、福音主義者としての見解が伝えられた。米軍事組織のひとつである陸軍州兵元チャプレンで、ポール議員を福音主義者として支えているジム・リンゼイ博士は、米CP(クリスチャンポスト)の取材に対し、「ロン・ポール議員を支持する理由は、サザンバプテスト教会員としての福音主義の信条にあるのではなく、問題解決や政策決定の基盤をすべて米国憲法に置いて模索しようとしている姿に共感しているからです。米国憲法は聖書を基に作成されていますから、福音主義者として政治哲学がもっとも米国憲法に即した人物を支持するべきであると思っています」と述べている。
1月上旬には、米テキサス州スプリングにあるグレースファミリーバプテスト教会牧師のボディ・ボーカム氏は、同氏のブログでポール議員を支持する理由について説明した。ボーカム氏はポール議員を支持する理由として、同議員がキリスト教保守派であり、憲法的にも保守派の見解を有しており、これまで継続した保守派としての活動をしてきたことを挙げている。
ボーカム氏は自身のブログで1月16日に、「私は牧師の責任者となるような人物を候補者として支持しようとしているわけではありませんが、クリスチャンとしてポール議員に票を投じるというのは重要な決断になると思います。私の願いとしては、教会の特権や責任、権威を侵害するような人物に大統領になってほしいとは思いません。しかしながら、これらの教会の権威のようなもので候補者の活動を妨げるような動きも見たくありません。人が何かを決定するときの基盤となる概念が聖書の上に置かれてあることを、大統領候補者の演説の中に見出したいと思っています。それは私自身の在り方を常に反映しているものではないことはわかっていますが、しかし私は神様の言葉を信頼しており、神様の言葉に頼って政策決定をすることができる人を支持したいと思っています。私が結局ポール議員を支持する理由というのは、彼がただ保守派であるというだけでなくキリスト教保守派であるという理由に尽きます」との見解を公表していた。
米共和党指名候補争いの最新のギャロップ調査によると、ニュート・ギングリッチ元下院議長議がモルモン教徒で元マサチューセッツ知事のミット・ロムニー議員の26パーセントを上回る32パーセントの支持率を獲得して最有力候補となっている。ロムニー議員は、米福音主義者らからは大きな支持が得られていないが、一部福音主義者らの間では「ミットのための福音主義者」を呼びかけて活動している団体も見られている。ポール議員の支持率は13パーセントとなっている。
リンゼイ博士は「福音主義者たちがあまりロン・ポール議員を支持したがらない理由は、単にロン・ポール議員以外の議員の問題に精通しておらず、ロン・ポール議員の主張について耳を傾けていないだけではないかと思います。さらに言えば、羊のように、彼らは群衆に従っているのです。150人の福音主義の指導者たちが、他の福音主義者たちを『穏健な』候補者を支持するように促しているといえるでしょう。そのような候補者の一部は米国憲法の精神にそぐわない候補者であると非難されているような人もいます」と指摘している。
フロリダ州共和党予備選挙は1日に行われる。その後ネバダ州で4日、4人の共和党立候補者による党員集会が行われる予定である。