財団法人日本聖書協会(東京都中央区)は15日、東京都千代田区の日本基督教団富士見町教会でクリスマス礼拝を行い、同協会の関係者や支援者ら約260人が出席した。同協会総主事の渡部信氏は、「福音の光は、誰かの贖いの心、お互いの執り成しの業を通して灯される」と語り、「イエス様が示された執り成しの心をお互いに宿らせ、クリスマスの時が恵みと祝福の時でありますように」と祝福した。礼拝後には、第22回聖書事業功労者賞の表彰式も行われ、写真家の横山匡氏に表彰状が贈られた。
渡部氏は、東日本大震災の復旧活動に従事するボランティアの活躍に触れ、「その執り成しの業、贖いの心に強く打たれて本当に頭が下がります。そのような支援こそ、またその人たちもそれによって執り成され、そこに新しいビジョンが生まれていく」と語った。その一例として、阪神大震災の復興支援をきっかけに神戸バイブルハウスが誕生したことを紹介し、「神が我々とともにおられる場所はともに執り成し合う場所でもあります。そこにベツレヘムで生まれたイエスがおり、十字架上のイエスがおり、復活されたイエスがおられます」と被災地復興への希望を語った。
渡部氏は、「イエスという方が暗黒の時代に一人の赤子として家畜小屋にお生まれになり、民衆の無知と罪を自分のこととして執り成すことによって、はじめて福音の光が人類に灯された」とクリスマスの恵みを説いた。
横山氏は、同協会が年2回発行する会員誌『SOWER(ソア)』で92年11月の創刊号から毎回「新・聖書の世界」のコーナーで写真と文章を担当。聖書展用のパネルやパンフレット、書店で配布される聖句入りしおりにも写真を提供してきた。
00年の東京大聖書展や06年の国際聖書フォーラムでは写真展示コーナーに出展。07年には、横山氏の写真44点と各方面のキリスト者が選出した聖句をあわせた『わたしの好きなみことば』(日本聖書協会)が発刊された。昨年秋に発行された『みことばフォトブック』(日本聖書協会)では、一般公募の写真選定に協力。同協会のホームページや携帯電話向けサイト「ⅰばいぶる」にも、06年から毎月写真を提供している。
受賞後のあいさつで横山氏は、「聖書の中身が少しでも多くの人に伝わるような写真を撮っていきたい」と受賞の喜びを語った。