今回は、前回まで学んできた「創造」について整理しておきたいと思います。2つの相関図もご参照ください。(相関図1:天地創造と氷河期、相関図2:主な古代文明)
ただし、この相関図は当連載が始まる前に作成されたものであるため、「アルケー」(創造のはじめ)の時点も、また、(それぞれの祖先を表す)「プロートス」や最後の祖先である「アダム」という言葉についても記載されていません。ご了承ください。
コリント人への手紙15章45節の記述によれば、最後の祖先としてのアダム、つまり、王であり主であるイエス・キリストが「アダム」(H121/G76)と表されています(H121/G76は「祖先」を意味するヘブライ語およびギリシャ語の識別番号)。
こう書かれています。「最初(プロートス)の人(H120/G444)アダム(H121/G76)は生けるものとなった。」しかし、最後のアダム(H121/G76)はいのちを与える御霊となりました。(コリント人への手紙第一15章45節)
そして、エバの夫アダムを祖先とする人々(世代)――最後から1つ前の世代の人類――は「アダムH120/アントローポスG444」と表され、そこにはエバの夫アダム、主イエス様、アダムの子孫たち全員が含まれるわけです。コリント人への手紙第一15章47節に書かれてある通りです。
第一(プロートスG4413)の人(アダムH120/アントローポスG444)は地から出て、土で造られた人ですが、第二の人(アダムH120/アントローポスG444)は天から出た方です。(コリント人への手紙第一15章47節)
注目すべきは、この最後のアダム(H121/G76)から、それまで地上に存在したことのない全く新しい種類の人類が生まれたことです。その人類とは、コリント人への手紙第二5章17節にある通り、主イエス・キリストを信じる信徒のことです。
ですから、だれでもキリストのうちにあるなら、その人は新しく造られた者です。古いものは過ぎ去って、見よ、すべてが新しくなりました。(コリント人への手紙第二5章17節)
この新しい種類の人類(信徒)とは、神様が創造なさる最後の種類の人類、すなわち、最後のアダムである主イエス・キリストの子孫ということになります。
実に、私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られたのです。神は、私たちが良い行いに歩むように、その良い行いをあらかじめ備えてくださいました。(エペソ人への手紙2章10節)
概説(相関図参照)
コリント人への手紙第一15章45節には2種類の「アダム」(H121/G76)が登場します。一人は地から出た人類の祖先であるエバの夫アダムで、人類の「型」「型式」「定型」として土から創造され、生きるものとされましたが、血/血潮に罪の影響を受けて堕落した存在となりました。
このアダムの後に、神様はもう一人の「アダム」(H121/G76)を(祖先として)天から送ってくださいました。そのお方は「本物のアダム」(霊的なアダム)であり、天の血潮を持って地上に生きられました。その血潮は罪の影響を受けなかったので堕落もされませんでした。
この2人の「アダム」(H121/G76)はそれぞれ、「地からの祖先」と「天からの祖先」という2つの種類を表しています。つまり、「アダム」(H121/G76)という言葉は、現代を生きる子孫である私たち人類(H120/G444)――最後の「世代/時代」――の祖先である「エバの夫アダム」と「私たちの主イエス様」の両方を指しているのです。
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