ローマ教皇フランシスコは25日、バチカン(ローマ教皇庁)のロシア大使館を訪問した。バチカンのマッテオ・ブルーニ広報局長によると、訪問の目的は「戦争への懸念を表明するため」で、教皇は大使館に約30分滞在した。カトリック系のCNS通信(英語)が同日伝えた。
同通信によると、ロシアのアレクサンドル・アヴデーエフ駐バチカン大使はロシアメディアに、「会話の焦点はウクライナの人道的状況だった。教皇フランシスコは、(ウクライナ東部の)ドンバス地方や他地域の全住民の状況に大きな関心を示し、子どもや病人、苦しむ人々の保護、住民の保護を呼び掛けた」と語った。
教皇は、ロシア軍によるウクライナ侵攻が始まる前日の23日、水曜日恒例の一般謁見で、ウクライナの情勢悪化について「深い悲しみ」を表明。「政治的責任を負う者は神の前で真剣に良心を吟味するように。神は戦争ではなく平和の神だ」と訴えるとともに、「灰の水曜日」となる3月2日に、すべての人が祈りと断食によってウクライナと全世界の平和を願うよう呼び掛けている。