ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受け、カトリック東京大司教区の菊地功大司教は25日、ウクライナの平和のために祈るよう呼び掛ける文書を発表した。
菊地大司教は、「平和によっては何も損なわれないが、戦争によってはすべてが失われ得る」と、第2次世界対戦前夜に当時のローマ教皇ピオ12世が語った言葉を引用。「武力に頼るのではなく、理性の光によって、換言すれば真理、正義、および実践的な連帯によって国家間の諸課題は解決されるべきであり、その解決を、神からの賜物であるいのちを危機に直面させ、人間の尊厳を奪う武力に委ねることはできない」と強調した。その上で「わたしたちの共通の家が平穏に保たれ、真の神の秩序が確立されるように、政治の指導者たちが対話を持って解決の道を模索することを心から願っています」と述べた。
また「暴力の悪魔的な無分別さに対して、神の武器、すなわち、祈りと断食をもって答えることをイエスは教えました」と、23日の一般謁見で教皇フランシスコが語った言葉を引用し、「教皇様のこの呼び掛けに応え、3月2日の灰の水曜日に典礼の規定に従って『大斎・小斎』を守るにあたり、特にウクライナにおける平和のために祈るようにお願いいたします」と呼び掛けた。
加えて東京大司教区内の教会では、27日か3月6日のいずれかの主日ミサで、ウクライナの状況を心に留めながら平和のためにミサをささげるよう求めた。