東京基督教大学名誉教授の宇田進(うだ・すすむ)氏が3日、死去した。88歳だった。同大が13日、ホームページで発表した。
日本福音主義神学会の設立呼び掛け人の1人で、1974年にスイスで開催され、その後の世界の福音派に大きな影響を与えたローザンヌ世界伝道会議でスピーカーを務めるなど、日本を代表する神学者として国内外で活躍した。同大は、戦後の日本の福音派における最初の神学博士であるとし、「宇田先生に育てられた多くの伝道者が今も日本と世界の教会に遣わされています。先生の生涯を豊かに用いられた主の御名をあがめつつ、先生に心からの感謝を表します」としている。
宇田氏は1933年、東京都生まれ。61年、TCUの前身の一つである日本基督神学校卒業。その後、米国のカベナント大学、カベナント神学校、ユニオン神学校、ウェストミンスター神学校を卒業・修了。神学博士(Th.D.)。
共に74年に開催された第1回日本伝道会議、ローザンヌ世界伝道会議でスピーカーを務め、キリスト教高等教育推進国際協議会(ICPCHE)実行委員や日本福音主義神学会理事長、共立基督教研究所所長などを歴任。TCUの前身校を含め、40年以上にわたって教鞭を執り、伝道者の育成に尽力した。また、日本長老教会の久我山キリスト教会と西武柳沢キリスト教会では開拓期に牧会に従事した。
著書に『新聖書注解・コロサイ人への手紙』『新聖書講解シリーズ(10)へブル人への手紙』『福音主義キリスト教と福音派』『総説 現代福音主義神学』など。翻訳書に、ジョン・マーレー著『キリスト教救済の論理』、ジョン・ストット著『現代の福音的信仰―ローザンヌ誓約』、ポール・G・セトル著『ウエストミンスター小教理Q&A107』など。