日本で初めて「がん哲学外来」を開設し、現在では「がん哲学外来&メディカルカフェ」を全国で展開している順天堂大学名誉教授の樋野興夫氏が、新刊『聖書とがん―「内なる敵」と「内なる人」』を出版する。樋野氏は、「がんは人の体は侵しても、心まで侵せない」と語る。
「がんと戦う」とはどういうことなのか。旧約聖書の創世記、エステル記、ヨブ記、新約聖書の福音書などから、聖書とがんの関係性、また患者本人と家族が、がんとどう向き合うべきかを探る。これまで病理学者としてがんを研究してきた経験から現在の医療体制の問題点を指摘。また、がんを「内なる敵」と定めることで、がん患者の「内なる人」との関わり方を説いている。
聖書とがんとの関係を扱う本書の出版は、樋野氏にとって長年の「大きな夢」だった。奇しくも、樋野氏の敬愛する3人のキリスト者、新島襄の没後130周年、内村鑑三の没後90周年、新渡戸稲造の『武士道』発行120周年が重なる今年に、念願の出版が実現することとなった。
発売日は20日。一般書店やアマゾンのほか、全国のキリスト教書店でも購入できる。四六判、216ページ。イーグレープ刊。1600円(税別)。