今回はビリー・グラハム師の書かれた「人生の最終章」(Nearing Home: Life’s Final Destination)という文章を2回にわたって拙訳してみます。
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加齢とともに生きる気力が次第に減退していくことに対して、どう対処すればよいでしょうか。聖書にある神のみことばの約束によって、毎日強められなさい。絶えず神に祈りなさい。神が祈りを聞いておられるという確信だけでなく、今この時、主イエスがあなたのためにとりなしておられるという確信に立ちなさい。あなたの思いをキリストに集中しなさい。そして、あなたを励まし助けられる他のキリスト者とつながっていなさい。
聖書のみことばは真実です。「死も、いのちも、御使いも、権威ある者も、今あるものも、後に来るものも、・・・そのほかのどんな被造物も、私たちの主キリスト・イエスにある神の愛から、私たちを引き離すことはできません」(ローマ8:38~39)。
私の妻、ルースが召される数週間前、妻はこのみことばを何度も何度も繰り返していました。ルースは常に誰かのことを考えていました。彼女が人生を喜びをもって過ごすことのできた秘訣がこれでした。彼女は決して自分の問題に集中していませんでした。常にキリストに思いを合わせていました。すると、キリストは励ましや聞き役を必要としている人へと彼女を導かれたのです。
96歳になるあるご婦人は「家で1人になる時間がたくさんあるんです」とおっしゃっていました。「ですから、椅子に腰かけて、祈りの課題を祈っていくのです。すると、どうでしょう。あまりにもたくさんの人たちのために祈ることがあって、時間が足りないのですよ」と。
別なご婦人は100歳に手が届くようになっています。彼女は毎週、「高齢者」のために食事を配達するのを手伝っています。この方は他の人々に思いを集中しているのです。主イエスは他の人々を助ける人々を祝福されます。そして、主に喜んでいただくことに集中している人々に、主は恵みを与えられます。
年を重ねることは決して容易なことではありません。しかし、老年には特別な喜びがあります。家族や友達との時間が持てたり、かつての責任から解放されたり、見過ごしてきた小さなことを愛でる喜びなどです。しかし、最大の喜びは、すべてのことを主の御手に委ねることを学ぶにつれて、キリストにますます近づくようになることです。(つづく)
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